黄金に輝く阿弥陀如来の本尊の前で、愛を誓う。東別院の本堂。「ナームアーミダー」の低い声と、線香の香りが漂う中、人生で一番晴れやかな日を迎えた。仏前結婚式だ。角隠し姿の新婦。紋付はかまを茶髪で着こなす新郎。並んで「み仏の教えを導きとし・・・・」と誓いを述べた後、お坊さんから数珠を授けられた。口づけなど交わすことなく、集まった親族らが乾杯して式は終わった。新婦の父親は別の寺の住職。「厳かな気持ちになりますね」という新婦とは対照的に、新郎は当初、寺で結婚式ができるとは知らなかった。だが、友人に話すと珍しがられ、「結構、オイシイかも」と乗り気になった。「結婚も、亡くなる時もお寺って、いいよね」と笑う新郎と新婦。2人に、み仏のご加護を。(中日新聞20041111日号より)