福島第一原発の不安 余震で鮮明に 

水漏れ、ガス漏れ、タンクずれ、地震計故障

 

2月13日の東日本大震災の余震とされる地震は、柏崎ではゆーっくりした長周期の揺れでした。

多くの皆さんが2011年3.11を思い起こしたことでしょう。

福島では震度6強。中越沖地震の柏崎と同じ程度の揺れでした。

急いで付けたテレビは、福島第一原発で異状は確認されておらず、調査中との報道でホッとしたのもつかの間。

 

 格納容器の損傷がひどくなったようです 

 

その後、1号機と3号機で原子炉内の水位低下が判明し、徐々に低下するので給水量を増やしていると報道されました。

2011年に起きた損傷が、大きくなって、漏れ出る水の量が増えていると考えられます。

 

更に、1号機の格納容器内の圧力が、徐々に下がって大気圧と同じになったとの報道があり、

内部の窒素ガスが漏れていることが疑われます。

地震後一応落ち着いて、水漏れはあるものの、密閉されていたもの格納容器のどこかから気体が漏れるようになり、漏水の量も増えたようです。

全くの推測ですが、圧力容器やそれにつながる配管のどこかが傷んだ可能性が高いのでしょうか?

個人的には、とっさに「処理水の保管タンクが壊れるかな」と心配しました。 

直ちに報道もなく「大丈夫だったのかな」と思いましたが、その後の報道を見るとタンク6基で5㎝程度のズレが生じたという事です。

タンクからの水漏れは報告されていないようですが、あの大量のタンクが壊れるような余震も心配です。

 

 再臨界も心配です 

 

格納容器内の水位が下がり、デブリが水から顔を出すと、核の連鎖反応が進み、再び燃料が溶融するような「再臨界」が心配されます。現状では大丈夫だという報道です。

しかし、東日本大震災と、その後の爆発で大きなダメージを受けたこの原子炉が、

比較的小さな揺れでも大きな被害を被る事は十分想像されます。

あの、中越沖地震では、本震で持ちこたえた家が、余震で潰れたという例もいくつもありました。

核燃料の取り出しばかりが注目されていますが、現状をとりあえず安定化させるための対策も急がれるべきでしょう。

 

 ここでも東電の失態  壊れていた地震計 

 

今回の地震で福島第一原発の揺れはどうだったのという点が気になります。

東電は10年前の事故でダメージを受けた3号機建屋への揺れの影響を評価するために、

昨年3月に3号機に地震計2基を設置し、余震に備えていました。

しかし、大雨などで、昨年7月に壊れてしまったという事です。

問題はそれを知りながら、東電は計測器を修理することもなく、そのままにしていたという事です。

東電は「対応が不十分で、貴重な地震のデータが取れなかった」と述べたという事です。

「ボーっと生きてんじゃねえよ!!」と言いたいところですが、そんなに軽い問題ではありません。

地震計か壊れましたという報告を受けた管理者は、どういう発想でそのままにしておこうという事になったのでしょうか?

 

福島第一の現状は甘くないことを改めて思い起こさせる10年目の余震でした。