東電 不正ID 中央制御室 侵入問題

 

 東電の不祥事が連続で報道されましたが、不正IDで中央制御室に侵入したという驚くべき問題は、単に東電の体質というだけでは片づけられません。

経過を見ると、原子力規制庁が不正の報告を受けながら、隠していた姿が見えてきます。

 

経過を見てみましょう

2020.9.20 不正なIDカードで中央制御室に侵入した事件が発生

     9.21 東電が原子力規制庁に事件を報告

     9.23 原子力規制委員会が東京電力の「適格性」を了承

2021.1.19  規制委員長に規制庁が事実を報告

   1.23 不正ID侵入事件が新聞報道される

   1.25 柏崎で東京電力「新規制基準の審査、工事の終了にともなう」説明会を開催

 

ポイントは2020.9.23 規制委員会が東電の適格性を認める決定をした事です。

規制庁は報告を受けたが、更田豊志委員長ら原子力規制委員会には連絡せず、委員会はこの事実を知らないまま「適合」の判断を下したわけす。

本当に規制委員会に知らされていなかったとすれば、このような不正がなかったという前提で「適合」の判断が下されたわけです。

 

問題点は大きくは3つです

 

  東電はIDカードの確認という、基本的なセキュリーティー管理もできない会社であることが判明しました。

したがって、テロなどを防止することができない可能性が大きいことが判明しました。

当然、再稼働して原発を運転する資格などありません。

  不正入室の発生を規制庁に報告したのみで、自治体や住民に知らせることもなく、平気な顔で説明会を開くという姿勢は、福島事故以前から全く変わっていないことを示すものです。

この面でも、東京電力に原発を運転する適格性はないということです。

  そして、これを規制するはずの原子力規制庁が、都合の悪い事実を規制委員会に隠したまま「適合」の結論を出させた訳です。

安全の側に立つ「原子力規制」庁ではなく、再稼働のための形だけを整えてよしとする「原発推進」庁であることが明らかになりました。

ということではないでしょうか。

 

繰り返される東電の不祥事、隠ぺい

更に隠された事実があるのか?

 

企業倫理や体質に問題のある東京電力が、性懲りもなく何度も何度も問題を起こし、それを住民に知らせようともしない。

そして、それを国が守る。

東電も国も、昔からこういう体質で、姿勢でした。今回の事件で、福島事故を経た現在も、その体質は何も変わっていないという事がまた明らかになったという事なのです。

さらに、なぜ、どのようにして不正IDで侵入できたかという経緯はもっと驚くべき事実があるようです。

 

 

新規制基準「適合」の判断は取り消されるべきである

 

東電ももちろん大問題ですが、規制庁もその責任を強く問われるべきで、「新規制基準に適合し、東電に原発を運転する適合性はある」とした原子力規制委員会の決定は取り消されるべきものだと考えます。