2019年1月-3月放送されたドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」のことを思い返さずにはいられない。
木村花さんのニュースを受けて。
フジテレビがどうとかテラスハウスの構成がどうとかここで論じるつもりはない。そんなことをしたらSNSで匿名という安全性の元誹謗中傷を繰り返す連中と同じ側につくことになる。
とにかく思ったのは冒頭の一文。そのことだけだ。
しいて言うならもう一つ。今後多発するであろうSNSが生み出す事件を予測した脚本家(調べたら武藤将吾さんというらしい)のメッセージを受けて何かできることはできなかったか。あの作品は非常に考えさせられたいい作品であった。フィクションであるが、あのストーリーを思いつくにあたってのきっかけとなる事件や出来事があったのだろうか。いずれにしてもSNSの発達、匿名発信の活性化により起こり得る言葉の暴力を想定し警鐘を鳴らしたのは間違いない。
大きな賞をとる作品は実際にそういったものが多いが、映画にしても小説にしても世の中に大きなメッセージを発するのがそれらの大きな役目の一つとしてあるのだと考えている。勿論娯楽の一面も併せ持ちながら。
私が言うまでもなく、この木村花さんの事件を受けて、SNSでの誹謗中傷防止の対策はとられていくだろう。それは早急にやるべきであって、彼女の死を無駄にしてはならない。
だがリアルの世界で「3年A組」のような事件を起こさずに対策はとることができなかったか。犠牲者を出すまで気づけなかったようなことか。SNSの中でますます匿名性を利用した悪質な誹謗中傷が増えていることは既知の事実で、「3年A組」という作品が投げかけた問題提起に信憑性があったこと、そもそもそれに近い事件はすでに起きているはずだ。有名人が、メディアを通して、という条件がそろわらないと大きな問題にならないものなのか。その代わりを「3年A組」という作品が担うことができなかったのが、とても残念だ。作者も悔しいだろう。
うちの娘も母親に似れば気が強そうに見えて傷つきやすい側面がある子に育ちそうだ。自分の娘を守るためにも、文明の機器の利便性の裏側にある危機にしっかり目を向け打てる手を打たなければならない。