1.宗教団体の定義
宗教団体は、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い及び信者を教化育成することを主たる目的とする団体のことをいいます。宗教団体が、規則を作成し管轄の行政庁(都道府県知事又は文部科学大臣)の認証を受け、登記することによって、宗教法人として成立することができます。
また、宗教法人には、神社・寺院・教会などのように礼拝の施設を備える「単位宗教法人」と、宗派・教派・教団のように神社・寺院・教会などを傘下に持つ「包括宗教法人」があり、単位宗教法人のうち包括宗教法人の傘下にある宗教法人を「被包括宗教法人」、その傘下にないものを「単立宗教法人」といいます。
2.宗教法人設立認可申請について
2-1宗教法人設立の要件
宗教団体が宗教法人になるためには、次の要件を満たしたうえで認可申請を行ない、管轄行政庁から認可証を発行してもらう必要があります。
宗教団体としての役員や干与者などの機関の設置、規則の制定なども当然重要となりますが、最も重要となるのは、3年間の実績報告となります。
これまでの実績ではなく、管轄行政庁との事前協議が完了した後の3年間の運営報告が必要となっています。
|
3.宗教法人設立の流れ
3-1.管轄行政庁への事前協議 |
管轄する行政庁は、次のいずれかとなります。
管轄行政庁への事前協議の段階で、宗教団体としての運営の基本を定めた「規則」の準備が必要となります。 定めた規則に従って、宗教団体を運営し、②運営報告に備えることになります。 規則の記載項目は、主に次の事項となります。
|
3-2.管轄行政庁への運営報告 |
運営する宗教団体の規則やその他の必要書類を備えたうえで、管轄行政庁へ定期的に運営報告を行うことになります。 管轄所轄庁へ事前協議をおこなってから、最低でも3年以上の運営報告が必要となります。 事前協議をおこなう前の実績については、過去に何年、何十年の宗教活動を行っていようが、実績としては認めてもらえませんので、注意が必要となります。 |
3-3. 設立予定法人の規則作成、設立発起人会の議決 |
3年以上の運営報告の結果、管轄所轄庁からの認証書を発行する旨の通知がくれば、設立の準備に入ることになります。 宗教団体内で、主に以下の手続きを行います。
これまで宗教団体として運用していた規則を、宗教法人用の規則に作り替えて、議決を取ることになります。 議決を得た規則をもって、④の規則認証申請を行なうことになります。 |
3-4.管轄行政庁への規則認証申請 |
公告の提示期間の満了の翌日から1ヶ月経過した後、管轄行政庁に規則の認証の申請をする。 規則認証申請には、主に以下の書類等が必要となります。
|
3-5.管轄行政庁からの認証通知の発行 |
認証書、認証した規則及びこれらの謄本が交付されることになります。 |
3-6.宗教法人設立登記 |
規則の認証書の交付を受けた日から2週間以内に主たる事務所の所在地を管轄する法務局において宗教法人設立の登記をする必要があります。 |
3-7.登記の届出 |
宗教法人設立登記申請を行なった後、財産目録を作成し、管轄所轄庁に、登記簿謄本を添えて宗教法人設立届を提出します。 登記申請に必要な書類は主に次のとおりとなります。登記申請に必要な収入印紙などの法定費用は免除されています。
|
4.宗教法人設立のメリット
メリットとして以下のものがあります。
|
主たる宗教活動においては、税制上優遇や免税措置を受けることになります。
ただし、駐車場の運営などその他の事業による収益等は税務申告を行う必要があります。
5.設立後の手続
5-1.事務所に備え付ける書類と所轄庁への提出
平成7年の宗教法人法の改正により、宗教法人は、毎会計年度終了後4カ月以内に、事務所に備え付けてある書類のうち次の書類の写しを管轄行政庁に提出しなければならないこととされています。
①規則及び認証書 |
|
|
②役員名簿 ③財産目録 ④収支計算書 ⑤賃借対照表 (作成している場合) |
|
|
⑥境内建物に関する資料 |
|
|
(財産目録に無記載の場合) |
|
|
⑦責任役員会の議事録 ⑨事業に関する書類 |
|
|
(公益・収益事業を行ってる場合)
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|