行政書士の業務は行政書士法を読むだけではわかりません。

 

行政書士の業務内容を列挙することは不可能だからです。「隣接士業の独占業務を除外したすべて」

という考え方がベースとなります。

よく言えば、オールラウンダーということです。

行政書士の業務内容を把握する為には、隣接士業の業務内容を把握することとが重要となります。

 

隣接士業とは、一般的には社労士、司法書士、弁護士、弁理士、税理士の5つと定義されます。

中小企業診断士も隣接する資格ではありますが、独占業務がない資格なので、除外しました。

(実際は補助金業務などでバッティングしたりします。)

それぞれの士業の法定された独占業務の内容は以下の通りです。

 

1.行政書士の独占業務

官公署に提出する書類の作成及び相談

権利義務に関する書類の作成及び相談

事実証明に関する書類の作成及び相談

許認可等の聴聞または弁明の機会の付与、意見陳述の代理

許認可等の審査請求、再調査の請求、再審査請求など不服申立の代理、書類作成(特定行政書士のみ)

 

2.社会保険労務士の独占業務

労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成及び手続き代行

労働社会保険諸法令に基づく申請書等に関する調査・処分に対する主張・陳述の代理

労働社会保険諸法令に基づく紛争解決手続代理業務(特定社会保険労務士のみ)

労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成

 

3.司法書士の独占業務

登記または供託に関する手続代理及び相談

裁判所、検察長または法務局に提出する書類の作成及び相談

法務局長に対する登記または供託に関する審査請求手続きの代理

簡易訴訟代理等関係業務(法務大臣が認定した者のみ)

 

4.弁護士の独占業務

法律事務全般(訴訟事件、非訟事件、不服申立事件などの鑑定、代理、仲裁、和解)

 

5.税理士の独占業務

税務署に対する申告や申請、調査処分に対する主張または陳述の代理(酒類販売免許申請は除く)

税務署類の作成

税務相談

*ゴルフ場利用税、自動車税、軽自動車税、事業所税などの税務書類の作成は行政書士も可能

 

6.弁理士の独占業務

特許、実用新案、意匠、商標、国際出願、意匠・商標に係る国際登録出願の特許庁における手続代理

特許、実用新案、意匠、商標に関する審査請求や裁定の経済産業大臣に対する手続代理

これらの手続の鑑定、政令で定める書類の作成

 

6つの士業に共通しているのは、公文書を代理で作成することを生業としていることです。

簡単に言えば提出先が違います。

社労士は労働局や職安、司法書士は法務局、弁護士は裁判所、税理士は税務署、弁理士は特許庁、行政書士はそれ以外の提出先に提出する書類を作っているということです。

 

行政書士はよく言えば範囲が広いので、隣接士業と満遍なく関わることになるのですが、

その境目、つまり「業際問題」と常に隣り合わせになります。

そして、業際問題は、複雑で奥深いです。専門家の間でも見解が分かれるような問題もあります。

(また複雑なようで、単純ヤ〇ザの縄張り争い、国家間の領土問題みたいな所もあります。

 *個人の感想です(笑))

次回からは数日はこの縄張り争い若しくはシマ争い、

おっと、業際問題について書いていきたいと思います。