この男はMattという。

毎回オレとルームメイトのわがままを聞いてくれて、車でどっか連れてってくれる若干ナルシスト気味の大麻を愛するいいやつである。
しかし学生ではない。
ルームメイトを通じて知ったのだが、普通にそこらに住んでいる。
さてなぜ若干ナルシスト気味かというと、それは車の中での会話からそう感じたのである。
M「オレって実際cuteだと思うんだよね!だから女の子もそう思うんだと思うよ!」
K「(おまえが?cuteだ?しかも自分で?) 確かにそうだよな~!!!HAHAHAHAHA!!!」
そんな彼はオレとテニスをしてくれる唯一の人間でもある。
M「Koji オレ昔ダブルスパートナーと組んでお金かけて勝ちまくってたんだよね。」
K「あ、ほんとに。それすごいな。」
M「あぁ、オレ達はまさに伝説だったな。」
K「ほ~~~。」
すごいだろ。
賭けテニスでこづかいを稼ぐなんて、テニスの王子様に出てるやつらレベルの人間しかしてはいけないと思っていたオレは彼を尊敬のまなざしで見つめた。
K「いや~~そんならテニスするのこえぇな~、ラケット握るの半年ぶりだぞ。」
M「大丈夫だよ!HAHAHAHAHAHA!!」
実際恐ろしかった。
どんだけテニスやってきたんだ、オレは!という気持ちとしかも今回シングルかよ!という気持ちが入り混じる中、ゲームが始まった。
30分後。
オレ達はあまりの暑さに試合を放棄した。
こちらの太陽はやはり恐ろしい。
そして結果は3-2。
なぜか知らんが勝った。
いや、正直言うと何で勝ったかわかっていた。
Mattはくそ弱かったのだ。
内藤レジェンドクラッシャー晃司はこうして産まれた。
(とか言ってるくせに2ゲームも取られてる私・・・。)
この試合があったのがおとといなので、そろそろこの試合の結果がGM's diaryに載ってもいいんじゃないかと期待している。
その日から彼のオレへの持ち上げは凄まじく、誰かにオレを紹介するたびに、
「こいつすごいテニスうまいんだぜ!!!」
というフレーズを付け加え始めるほどであった。
非常に困る。
以上のことから彼はオレの中でちょっと残念ないい人として登録されている。
そんなMattとルームメイトのアキとオレのハイキングの話。
アキとMattはなぜか異常にハイキングだとかキャンプとかアウトドア系が大好きである。
最近ウォーキングを始め、ついにオレもアウトドア派か?と調子に乗っているオレもすべての彼らのアウトドアライフに付き合うのは大変である。
というか時々しか参加しない。
そもそも経験値が違うと思われる。
アキは北海道出身で自然の恐ろしさと面と向かいつつ1人野宿を繰り返してきた猛者だし、Mattは自らヒッピーを名乗っている上にElmiraに住んでいてここはご存じの通りド田舎でやはり自然派である。
一方オレはと言うと、庭で死ぬほど落とし穴を掘ったり、罠を張って危うくじいさんを殺しかけたり、森に火を放ったり、アリの頭をちぎったりと猟奇殺人者的なアウトドアを楽しんではきたがキャンプの経験はかつてくそったれYMCAの合宿で行った位である。
マシュマロを火であぶってチョコレートを付けて食べるというのを経験したのが一週間前というレベルなのだ(ちなみにこの時嬉しすぎて異様にはしゃいだ)。
そのためキャンプには参加するものの、翌日早朝あまりの寒さに朝焼けの素晴らしい景色を総シカトしてぶちぎれながら帰宅というパターンになる。
そのためキャンプっぽい誘いは5割は断っている。
今回誘われたのはただ単にハイキングして帰宅コースだったため喜んで参加した。
しかし、その前に自分には不安があった。
もしハイキングコースが山とかやたら険しい場所だったら!?
兄ちゃん、節子靴ずれ痛いんよ。
そんな女々しいこと言ってないで靴を履け!と言いたくなるのは非常に分かっているし、オレ自身も、なんか言ってることオカマみてぇだな、と自覚している。
でも靴ずれでズルズルになって2人の足手まといになった方が問題だとオレは思った。
M「サンダルで大丈夫だよ。」
これで一安心である。
山だった。
しかも異様に上り坂が多い。
M「これはでっかい丘なんだ!」
どう考えても山だった。
もう丘も山も行かないと思った。
しかし、頂上の風景はとても素晴らしかった。
夕焼けの中、遥か下に見える河が光を反射して動いている。
そんな風景を見ながらみんなで飲んだ。
しばらくして、Mattが、日没までに丘を下りないと警察に車を持っていかれる!とか言い始めたため、三人は来た道を戻った。
ここからが問題であった。
行きに上り坂が多いということは帰りは下り坂が多いのである。
足は酔っ払っているためブレーキが利かない。
つまりほぼ異常に走りっぱなしという状態が起きる。
サンダルを履いているのに。
しかもこの間お釈迦になったばかりのサンダルを無精して履いてきたため、もうめちゃくそであった。
あの時は完全にバキで言うところの「死に際の集中力」をものにしたと思われる。
なにしろ全速力で山道を駆け下りているのに次に足を置くべき場所が瞬時に目の前に浮き上がるのだ。
これはアルコールの力なのか、それとも・・・・・まぁ、何かわからないけども。
その時先頭を走っていたMattが急に止まりこちらに止まれという合図を出してきた。
しょんべんでもしたいのかと思ったら彼はこう叫んだ。
「熊がいる!」
酔いがさめた。
そこにいるのは動物園の楽しい熊さんではなく、野生純度100%の熊である。
オレは姿こそ見てないが、聞こえてくる足音で、鹿とかそんなデカさじゃないでっかいのがいることが分かる。
震えながら戻ってきたMattに訪ねた。
「え、どんな熊?1匹?」
彼は言った。
「いや、子連れの黒熊。」
最悪のパターンである。
大抵こういう時一緒にいるのは母熊らしいが、やつらは子供を守るためなら何でもするやつらなのだ。
皆、やばいやばい、もしくはHoly fuckだとか言いながら、例の軍人レベルの速度で静かに移動した。
下手に走ると追われるからである。
歩いている間も左側からぶっといであろう木の枝をへし折る足音が聞こえてくる。
オレに至っては頭の中で内臓とかズッタズタに食われてる自分の姿を何回も想像し、そしてそれを繰り返しながらながら、死ぬ覚悟を決めつつ歩いていたほどなので、足の裏とかとうの昔に感覚すらなくなっていた。
歩き続けて20分。
ようやく車にたどり着き、みんなでやべぇやべぇと言いあった。
実際ほんとにやばかった。
話も一通り盛りあがった時、Mattが叫んだ。
「この怖さは人生のワースト20に入るな!」
え~~~~微妙、と日本語ですら突っ込めないほど疲れていたオレは、そうだねと言うしかなかったのだ。
PS
オレとアキは時々Mattをトカゲ男と呼んでいることはまだ本人は知らない。

毎回オレとルームメイトのわがままを聞いてくれて、車でどっか連れてってくれる若干ナルシスト気味の大麻を愛するいいやつである。
しかし学生ではない。
ルームメイトを通じて知ったのだが、普通にそこらに住んでいる。
さてなぜ若干ナルシスト気味かというと、それは車の中での会話からそう感じたのである。
M「オレって実際cuteだと思うんだよね!だから女の子もそう思うんだと思うよ!」
K「(おまえが?cuteだ?しかも自分で?) 確かにそうだよな~!!!HAHAHAHAHA!!!」
そんな彼はオレとテニスをしてくれる唯一の人間でもある。
M「Koji オレ昔ダブルスパートナーと組んでお金かけて勝ちまくってたんだよね。」
K「あ、ほんとに。それすごいな。」
M「あぁ、オレ達はまさに伝説だったな。」
K「ほ~~~。」
すごいだろ。
賭けテニスでこづかいを稼ぐなんて、テニスの王子様に出てるやつらレベルの人間しかしてはいけないと思っていたオレは彼を尊敬のまなざしで見つめた。
K「いや~~そんならテニスするのこえぇな~、ラケット握るの半年ぶりだぞ。」
M「大丈夫だよ!HAHAHAHAHAHA!!」
実際恐ろしかった。
どんだけテニスやってきたんだ、オレは!という気持ちとしかも今回シングルかよ!という気持ちが入り混じる中、ゲームが始まった。
30分後。
オレ達はあまりの暑さに試合を放棄した。
こちらの太陽はやはり恐ろしい。
そして結果は3-2。
なぜか知らんが勝った。
いや、正直言うと何で勝ったかわかっていた。
Mattはくそ弱かったのだ。
内藤レジェンドクラッシャー晃司はこうして産まれた。
(とか言ってるくせに2ゲームも取られてる私・・・。)
この試合があったのがおとといなので、そろそろこの試合の結果がGM's diaryに載ってもいいんじゃないかと期待している。
その日から彼のオレへの持ち上げは凄まじく、誰かにオレを紹介するたびに、
「こいつすごいテニスうまいんだぜ!!!」
というフレーズを付け加え始めるほどであった。
非常に困る。
以上のことから彼はオレの中でちょっと残念ないい人として登録されている。
そんなMattとルームメイトのアキとオレのハイキングの話。
アキとMattはなぜか異常にハイキングだとかキャンプとかアウトドア系が大好きである。
最近ウォーキングを始め、ついにオレもアウトドア派か?と調子に乗っているオレもすべての彼らのアウトドアライフに付き合うのは大変である。
というか時々しか参加しない。
そもそも経験値が違うと思われる。
アキは北海道出身で自然の恐ろしさと面と向かいつつ1人野宿を繰り返してきた猛者だし、Mattは自らヒッピーを名乗っている上にElmiraに住んでいてここはご存じの通りド田舎でやはり自然派である。
一方オレはと言うと、庭で死ぬほど落とし穴を掘ったり、罠を張って危うくじいさんを殺しかけたり、森に火を放ったり、アリの頭をちぎったりと猟奇殺人者的なアウトドアを楽しんではきたがキャンプの経験はかつてくそったれYMCAの合宿で行った位である。
マシュマロを火であぶってチョコレートを付けて食べるというのを経験したのが一週間前というレベルなのだ(ちなみにこの時嬉しすぎて異様にはしゃいだ)。
そのためキャンプには参加するものの、翌日早朝あまりの寒さに朝焼けの素晴らしい景色を総シカトしてぶちぎれながら帰宅というパターンになる。
そのためキャンプっぽい誘いは5割は断っている。
今回誘われたのはただ単にハイキングして帰宅コースだったため喜んで参加した。
しかし、その前に自分には不安があった。
もしハイキングコースが山とかやたら険しい場所だったら!?
兄ちゃん、節子靴ずれ痛いんよ。
そんな女々しいこと言ってないで靴を履け!と言いたくなるのは非常に分かっているし、オレ自身も、なんか言ってることオカマみてぇだな、と自覚している。
でも靴ずれでズルズルになって2人の足手まといになった方が問題だとオレは思った。
M「サンダルで大丈夫だよ。」
これで一安心である。
山だった。
しかも異様に上り坂が多い。
M「これはでっかい丘なんだ!」
どう考えても山だった。
もう丘も山も行かないと思った。
しかし、頂上の風景はとても素晴らしかった。
夕焼けの中、遥か下に見える河が光を反射して動いている。
そんな風景を見ながらみんなで飲んだ。
しばらくして、Mattが、日没までに丘を下りないと警察に車を持っていかれる!とか言い始めたため、三人は来た道を戻った。
ここからが問題であった。
行きに上り坂が多いということは帰りは下り坂が多いのである。
足は酔っ払っているためブレーキが利かない。
つまりほぼ異常に走りっぱなしという状態が起きる。
サンダルを履いているのに。
しかもこの間お釈迦になったばかりのサンダルを無精して履いてきたため、もうめちゃくそであった。
あの時は完全にバキで言うところの「死に際の集中力」をものにしたと思われる。
なにしろ全速力で山道を駆け下りているのに次に足を置くべき場所が瞬時に目の前に浮き上がるのだ。
これはアルコールの力なのか、それとも・・・・・まぁ、何かわからないけども。
その時先頭を走っていたMattが急に止まりこちらに止まれという合図を出してきた。
しょんべんでもしたいのかと思ったら彼はこう叫んだ。
「熊がいる!」
酔いがさめた。
そこにいるのは動物園の楽しい熊さんではなく、野生純度100%の熊である。
オレは姿こそ見てないが、聞こえてくる足音で、鹿とかそんなデカさじゃないでっかいのがいることが分かる。
震えながら戻ってきたMattに訪ねた。
「え、どんな熊?1匹?」
彼は言った。
「いや、子連れの黒熊。」
最悪のパターンである。
大抵こういう時一緒にいるのは母熊らしいが、やつらは子供を守るためなら何でもするやつらなのだ。
皆、やばいやばい、もしくはHoly fuckだとか言いながら、例の軍人レベルの速度で静かに移動した。
下手に走ると追われるからである。
歩いている間も左側からぶっといであろう木の枝をへし折る足音が聞こえてくる。
オレに至っては頭の中で内臓とかズッタズタに食われてる自分の姿を何回も想像し、そしてそれを繰り返しながらながら、死ぬ覚悟を決めつつ歩いていたほどなので、足の裏とかとうの昔に感覚すらなくなっていた。
歩き続けて20分。
ようやく車にたどり着き、みんなでやべぇやべぇと言いあった。
実際ほんとにやばかった。
話も一通り盛りあがった時、Mattが叫んだ。
「この怖さは人生のワースト20に入るな!」
え~~~~微妙、と日本語ですら突っ込めないほど疲れていたオレは、そうだねと言うしかなかったのだ。
PS
オレとアキは時々Mattをトカゲ男と呼んでいることはまだ本人は知らない。





