サギ嫁のブログ
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ひとつ前進。

翌日、旦那は仕事帰りにスーパーに寄って生鮮品を買い込んで帰ってきた。


そして、一緒に買ってきたお惣菜で簡単に夕飯を済ませたあと、次々に材料を仕込む。



「野菜スープとか作っとけば昼間でも食べられるんだろ?」


グツグツ煮込まれて出来上がったのは、6リットルの鍋満杯のスープ。

旦那なりに、何かをしなければ私が実母を呼ぶかもしれないと思ったのだろう。
その通り。

私は実母を頼る寸前だった。


それから数日間、品を変え味を変えスープを主食にして暮らしたが、不思議と飽きることはなかった。



そして1ヶ月検診の日。


この日は私と子供の二人分だから予定は朝から入っていた。

私は前日から荷物を整えて、朝も早起きして自分の支度や子供の支度。
とにかく子供の外出の支度だなんて初めてだし、旦那のことなんて構う暇なんかなかった。 

病院の助産師さんからは

「子供の検診の時間より早めに来ておいて、授乳とかを済ませておくと愚図らなくて楽よ~」


とアドバイスを貰っていたから、何としてでも早めに到着しておきたかったし、逆算して自宅を出る時間は旦那にもしつこくお願いしていた。


…が、のんびりと寛いでおきながら、自宅を出るべき時間にシャワーを浴びだす旦那。

ヤキモキしながら待つ私。

入念に髪のセットを済ませたあとタクシーに乗り、病院に到着したのは予約時間ちょうどのこと。


待つ間にも、赤ちゃんのお世話グッズで大荷物になっているバッグを見ては

「こんなに沢山持ち歩く必要はないだろ!」

と、なじりながら自分の鞄の中に子供の荷物を入れるのを拒否したり、

念のためとベビーカーを持参していたら

「抱っこすればいいんだから使わないだろ!」

と、いう具合に文句ばかりつけるのだ。



私が自宅に戻ってからというもの、旦那主体で事が運ばない。そのことでイライラしているみたいだった。


それでも、病院で子供の成長を再確認すると、この1ヶ月の苦労が嫌な思い出じゃなく、キラキラとしたものになる気がする。


旦那も次第に表情がほぐれて穏やかになっていた。

初めの育児で妻が旦那に期待してはいけない。

旦那はわざとらしくため息をつき、鍋に水を入れてお湯を沸かし始める。

「俺、仕事で疲れてるんだよね。お前は昼間も寝られて良いけどさ。」


愚痴愚痴と言われながらカップ麺を流し込む。

生きた心地がしない。
こんなはずじゃなかったのに…


「冷蔵庫の中にろくなものがないの。
妊娠中に買っといたものは無くなってるし、明日でいいから材料買ってきてくれない?」


男なんて買い物出たところで余計なものしか買ってこない。

言われなきゃ、指示されなきゃ動けないのに、虚勢を張ることは一人前なのだ。


新生児の大変な育児だって、愚痴を聞いてくれたり、大変だねって言葉をかけてくれるだけで沢山頑張れるのに。


この時期の旦那は愚痴をこぼそうものなら
「俺の方が大変!」 「俺よりマシ!」
そう言って私の話なんか終了させるのが得意技で、
それ以上続けようとすれば
「そんな話は聞きたくない!」
とダンマリを決め込むのだ。


そして、帰宅が遅くなった理由。


「TSUTAYAでレンタルしてきたから見ようよ~」


そうやって旦那は自分の好きなことに巻き込んで、
それが家族の時間だとか、
共通の趣味だとか思っている節があった。


そういう夫婦の間にあるズレを、ひとつひとつ合わせたり直していく作業があってこそ、
恋愛時代にはなかった結束力が育まれるんだろうが、
その結束力を会得するには、一度築いた関係は簡単に壊すものなのかなー…と、今になって思う。

自宅に戻った翌日、すでにボロボロ。

旦那は里帰りを終えて自宅に戻ったら、また以前のように家事炊事をこなせる、そう思い込んでいた。


あんなに産後の大変さを説明していたのに、何一つ頭には残らない。


その夜、子供は環境が変わったせいか、泣き続けて一睡も出来なかった。

最初こそ旦那も抱っこしたりして付き合ってくれたが、そのうち眠れないイライラを私にぶつけ始めた。


「母親なんだからどうにかしろよ!」


そんなこと言われても、実家でも経験しなかった状態。
出来ることすべてやっても泣き止まず、とうとう旦那は怒りだし、寝室を出て居間のソファーで寝だした。

明け方になってようやく子供が大人しくなりウトウトしていたら、出勤する旦那が乱暴に起こしてくる。

それはまるで、俺が働きに行くんだから見送りくらいするもんだ!と言いたげな表情をしていた。

起きてしまった子供を抱っこしながら玄関でお見送りをする。

(寝かせといてあげようとか思わないわけ!?)


出勤後、お腹が空いて何か食べたくても食べ尽くしてしまった。
家の中どこを探してもろくなものがない。


粉末だしと醤油と酒みりんで作った汁に、小麦粉と水で練ったものを落として煮込んだものを作ってしのいだ。


そんなものを作る間も子供は泣いて私を呼ぶから、抱っこしたまま片手で仕上げる。

トイレにも抱っこしたまま入った。


仕事帰りの旦那がスーパーに寄って帰ってくるはずだ。

実家にいるときと違ってもうクタクタだったから、何か食べたい、誰かと話がしたい、とにかく旦那の帰りを待ちわびていた。



思った以上に帰宅が遅い旦那が持っていた買い物袋の中身は…


カップ麺、多数。


スナック菓子、多数。


スイーツ、2人分。


旦那の炭酸水、数本。



「なんだよ、何も作ってないのかよ~」


の、小言つきだった。
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