親父が今日オリンピックを見てた。

「あっあっおいおい」

俺に大きい声で話しかけてきた。

何って聞いたら

「この人だよこの人」

興奮してなにを言いたいのかわからん。

テレビにはスケボー競技が映ってる。

「だから何よ」

「この人タクシーに乗せたんだよ。その時にスケボー抱えてて、この人は有名なスケボーの人だよって一緒に乗ってたもう1人の友達が言うんだよ」 

「だからなに」

「だからこの人だよ。『おじさん俺の名前覚えておいてよ』って言われたんだよ」

「だから、誰よ」

いい加減話がわからんで、イラつく俺。

「だから『俺の名前覚えておいてよ』って言ったスケボーのにいちゃんがこの人だよ」

俺はテレビを見た。そしたら驚いた。

なんと金メダルをその人は勝ち取った。

親父が乗せたスケーター

それは堀米 雄斗選手!!!

流石だね。タクシーの運転手に名前を覚えておけといった人は未来の東京オリンピックの金メダリストだったのだ。

名前を覚えておいてよ。なんか謙虚な感じもするが、自信に満ち溢れてる感じもする。

親父が嬉しそうに

「俺、初めて金メダリストに会ったよ。凄いな俺!」って言ってた。

いやいや凄いのは堀米選手よってヤボなことは言わない。

75歳の親父がいい思い出になったと、缶ビールを飲んでいた。

なんか良いなって思った。

堀米選手、親父にいい思い出をありがとうございました。これからも期待してます😊