こんばんは、きよし弁護士です(弁護士細川潔、埼玉弁護士会、37962)
自転車で走行中に河川に転落した事故について、記事が出ていました。
【速報】京都市左京区の川底に男性遺体 自転車で走行中に道路脇に転落か
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6575333
4/6(月) 8:51配信 YAHOOニュース
自転車走行中に河川等に転落する事故です。
たまに見かける事故なのですが、専ら自転車の運転者に責任があるというわけではなく、事故に関して自治体の責任を認めた裁判例があります。
~~以下裁判例~~
岡山地判平成23年7月19日
夜間に自転車を運転して市道を走行していた者が、遊歩道へ降りる階段から転落して頭部を打ち、用水路に転落して溺死した事故。
相続人が、国家賠償法2条1項に基づき、市・県に対し、損害賠償を求めた事案
裁判所は、本件親水施設の設置管理につき責任を負う主体である市・県は、同施設の設置時以降、本件事故当時に至るまで、本件ポール間にチェーンをかけたり、本件通路の中央にポールを置いたりする等の義務を負っていたというべきであり、上記措置がされていない以上、本件親水施設は通常有すべき安全性を欠いていると評価され、その設置管理に瑕疵があったということができるとし、請求を一部認容した。
両親に各々約1300万、保険会社に約2050万円の賠償が認められた。運転者の過失は4割
福岡地裁 平成25年4月10日判決
自転車運転者が用水路に転落して死亡したのは、同用水路の設置管理者である市及び用水路に隣接する土地の所有者兼管理者である県が転落防止施設を認置することなく放置していたからであるなどと主張して、相続人が、県・市に対し、国家賠償法2条1項、民法717条1項又は国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償等を求めた。
裁判所は、県は、本件土地及び本件張出部分の所有者兼管理者として、本件県道を通行する歩行者等が本件土地を通って本件用水路に転落する可能性を想定し、本件土地と本件県道又は本件用水路との境界に防護柵等を設置するなどの転落防止の措置を講じるべきであったといえるが、半年近くにわたり、これを放置していたのであるから、転落防止措置を講じるべき義務に違反した等として、請求を一部認容した。
相続人らに、約2660万円、約1300万円、約1300万円の賠償が認められた。運転者の過失5割。
大阪高判令和7年10月30日判決
自転車運転者が、夜間、自転車で走行中、本件床板から本件用水路に転落して死亡した。
運転者の相続人は、本件事故は、公の営造物である本件用水路及びその両岸に架けられた本件床板が通常有すべき安全性を欠くことによる、その設置又は管理の瑕疵により生じたものであると主張して、土地改良区・県に対し、国家賠償法2条1項に基づく損害賠償を求めた。
原審(和歌山地裁)は、本件用水路及び本件床板はいずれも土地改良区が管理すべき公の営造物であって通常有すべき安全性を欠いていたと判断し、相続人の土地改良区に対する請求につき、運転者の過失割合を2割斟酌したうえで一部認容したが、その余の請求を棄却した。
そこで、相続人が県のみを被控訴人として控訴を提起し、土地改良区は控訴を提起した。
裁判所は、本件用水路及び本件床板の管理責任については、原審と同様に土地改良区にあり県にはないと判断するとしたうえで、相続人の請求については、原審の判断通り土地改良区のみに国家賠償法2条1項に基づく損害賠償責任を認めるが、本件転落事故発生に至る運転者の過失割合については、酩酊状態にあって注意力が相当散漫になっていたことが否めないのであり、そのため生じた前方不注視が本件事故の発生に寄与した割合は大きいものがあるといわざるを得ないとし、原審と異なり4割の限度で斟酌するとして、原審判決を一部変更した。
相続人らには、約2255万円、約733万円、約733万円、約733万円の賠償が認められた。
~~裁判例終わり~~
営造物の設置管理の瑕疵に関しては、最判昭和45年8月20日や最判昭和53年7月4日が引用されています。
河川等に対する自転車転落事故については、主に責任主体・設置管理瑕疵・過失相殺の有無が争点になっているようです。
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