「はぁ。」
仕事から帰って来て、玄関を開けたらいつもの怠さが襲ってくる。
初期からずっと一緒にいたあの人は何をしてるんだろう。トークアプリの通知数を見ると1件も来ていない。多分、既読をしたままなのだろう。
『てちの傍にいるから安心して。』
あんな言葉を信じたのは馬鹿だったのかな。
私の手を強く握って言ったのに、私は握られた手を振りどかせば良かったのかな。
あの手のあたたかさに今は怒りしかない。
ご飯もお風呂も済ませて、テレビを見る。
明日はオフだからゆっくりできるだろう。
ピコンッ
ん?
誰だろう。
メッセージを見ると、私が考えていたあの人だ。
[ てち、会いたいな。 ]
ドクンッと胸の鼓動がなった。もしかして私が期待していた言葉なのかな。
私も正直に言った方がいいのかな。
[ 私も。会いたい。 ]
ピンポーン
私がメッセージを送った瞬間にチャイムがなった。
玄関にいってドアノブを持ちゆっくり回すと、私が会いたかった人だった。
「ぴっぴっ」
「うぉ、てち笑。」
「………大嫌い。」
「はは、ごめんね。」
私はそっと離れて、ぴっぴの服の袖を握り中に入れた。相変わらず、服は黒なんだな。そこは変わってないけど髪の毛の色はグループにいた時よりもとても落ち着いていた。
やっぱり、いろんな人から聞くけど私のために自分に色々仕向けていたのかな。
胸がどんどん痛くなるけど、今はぴっぴといるこの空間を大事にしたい。
「てち、迷…惑だったよね。」
「………」
「てちに何も言ってなかったから、信じられないよね。」
「………」
「てち…抱きしめようか?」
「……うん。」
頭をそっと胸に預ける。
私の頭の後ろにある手がとても居心地がいい。
やっぱり大嫌いって言ったけど、それは私の本心じゃなかった。ぴっぴに会いたくて我慢出来なかった言葉が大嫌いだった。
ごめんね?ぴっぴ。
私ぴっぴが卒業した後、ずっと会いたくてたまらなかったんだよ?
大嫌いって言った言葉、撤回するよ。
「ぴっぴ……大好き。」
「私も、大好きだよ。」
あなたの胸にずっと篭っていたい。
end