ギロリ眼見おやじ。
私はもっぱら気が小さい。
子供の頃、おかんから「人の目をよく見なさい。」と教わって育ったので
人の目をよく観察する癖があるのだが、人というものは、本当に目で語る生き物である。
目を観察していれば、だいたい人となりがよくわかる。
…たぶん。
しかしながら、気が小さい人間としては
眼力の鋭い人に出逢うと、おっかなびっくり、逃げ腰になる。
だいたいにおいて、そういう方は確固とした持論をお持ちなことが多く
かつ、筋を通す方が非常に多く、厳しい発言もおかまいなし。
のらりくらりと生きている人間にとっては、天敵のような存在である。
私の左ナナメ前の方に座っているお方も
云うにもれず、まさしくその類の人種。
仕事のことで質問ごとがあり、主とタイマン。
奥深い博識と鋭い指摘に感銘を受けながら、人を見かけで判断してはいかんなと思いつつ
実情の苛酷さを受け止めているうち、決して責められていたわけではないのだが
すみませんすみませんもうしませんわたしがなんとかしますからどうかゆるしてください…
とその場で土下座したくなるほどなのであった。
そんなこんなで誰もが主が眼をとばせば子犬のように縮み上がるようなお方で
出逢った当初は、なるべく目を合わさないように過ごしていたわけだが
主はあろうことか、プリンタの横に座っているのである。
ある日、自分がプリントしたものを小鹿のようにおそるおそる取りに行き
用紙切れで「あ、紙がない…。」とぼそりつぶやくと
主の隣に座る、髪の量が一般平均を下回る方に向かって
「おい、『かみ』がないんやて。」と半径3mフリーズドライ発言、あんど、ギロリとこちらを眼見。
10秒ほど硬直後、かくんかくんとその場を去るも、
毎日ともなれば、そんなパワハラ発言も、主なりのユーモアであったことに
やがて気付いてゆく。
そんなわけで、今ではすっかり緊張状態もほぐれ
意外に庶民すぎる発言に日々癒されている。
「おう、ホットミルクには砂糖入れるよな?」
「えええ?コココ、コーヒーにですか?」
「ホットミルクってわざわざゆうとるやないか!(ギロリ眼見)」
「『まほうのことば』のロングバージョンのCM、飯食いながら観てて、胸があつうなったわ。」
「えええ?ぬぬぬ、主がですか?」

その主が、日本中を不安にさせているあの場所への志願表明が日々強くなっている。
いつものようにおちゃらけているのだが、そのことを語るときの主の目が、
いつも以上に私を不安にさせる。
女は西へ、男は東へ。
それは種の本能なのか、押し付けの役割なのか。
主の隣の相棒が、主のパワハラ以外ですすり泣く日が来ないことを祈る。
by Kiyoomvich
子供の頃、おかんから「人の目をよく見なさい。」と教わって育ったので
人の目をよく観察する癖があるのだが、人というものは、本当に目で語る生き物である。
目を観察していれば、だいたい人となりがよくわかる。
…たぶん。
しかしながら、気が小さい人間としては
眼力の鋭い人に出逢うと、おっかなびっくり、逃げ腰になる。
だいたいにおいて、そういう方は確固とした持論をお持ちなことが多く
かつ、筋を通す方が非常に多く、厳しい発言もおかまいなし。
のらりくらりと生きている人間にとっては、天敵のような存在である。
私の左ナナメ前の方に座っているお方も
云うにもれず、まさしくその類の人種。
仕事のことで質問ごとがあり、主とタイマン。
奥深い博識と鋭い指摘に感銘を受けながら、人を見かけで判断してはいかんなと思いつつ
実情の苛酷さを受け止めているうち、決して責められていたわけではないのだが
すみませんすみませんもうしませんわたしがなんとかしますからどうかゆるしてください…
とその場で土下座したくなるほどなのであった。
そんなこんなで誰もが主が眼をとばせば子犬のように縮み上がるようなお方で
出逢った当初は、なるべく目を合わさないように過ごしていたわけだが
主はあろうことか、プリンタの横に座っているのである。
ある日、自分がプリントしたものを小鹿のようにおそるおそる取りに行き
用紙切れで「あ、紙がない…。」とぼそりつぶやくと
主の隣に座る、髪の量が一般平均を下回る方に向かって
「おい、『かみ』がないんやて。」と半径3mフリーズドライ発言、あんど、ギロリとこちらを眼見。
10秒ほど硬直後、かくんかくんとその場を去るも、
毎日ともなれば、そんなパワハラ発言も、主なりのユーモアであったことに
やがて気付いてゆく。
そんなわけで、今ではすっかり緊張状態もほぐれ
意外に庶民すぎる発言に日々癒されている。
「おう、ホットミルクには砂糖入れるよな?」
「えええ?コココ、コーヒーにですか?」
「ホットミルクってわざわざゆうとるやないか!(ギロリ眼見)」
「『まほうのことば』のロングバージョンのCM、飯食いながら観てて、胸があつうなったわ。」
「えええ?ぬぬぬ、主がですか?」

その主が、日本中を不安にさせているあの場所への志願表明が日々強くなっている。
いつものようにおちゃらけているのだが、そのことを語るときの主の目が、
いつも以上に私を不安にさせる。
女は西へ、男は東へ。
それは種の本能なのか、押し付けの役割なのか。
主の隣の相棒が、主のパワハラ以外ですすり泣く日が来ないことを祈る。
by Kiyoomvich
モヒカン美容師 vol2。
どーも、不謹慎推進派です。
運命の日のあと、とある島に住むおじさんを案ずる。
テレビの報道は東北ばかりで、"Tsunami"大警報に位置していたその島については
一切語られず、電話も繋がらず、おろおろ。
幸いにして数日後、いつもどおりあっけらか~んと電話をくれたおじさん。
島は何事もなかったようで、ホッとひと安堵。
なにか送ろうか?と云ったら
「わしの心配はいらん!
それよりおまえはなぜ恋人をつくらんのか?
恋人もつくらん、結婚もせず、子供も産まん。
明日の日本のためにもならんようなやつは、今すぐしね!」
おっと、なんたる不謹慎発言w
ノタマリやがったな…おのれ…w
この行き場のない善意をどうしてくれよう…ワナワナ。
---
ところで、先日同僚の結婚式にて。
関東方面からの参列者の辞退もあり
開催するか否か判断に迷ったことと思うのだが、中止も延期もしないということで、
迷わずGO!
まだまだ春の来ぬ寒空の下、親族ばかりの内輪のガーデンウェディング。
みなチキン肌で肩をぶるぶる震わせつつも
ほんのりとあたたかな日差しやシャンパングラスの乾杯音、
プロポーズ代わりの新郎の歌や新婦の母への手紙、
みんなの笑顔に包まれ、なにげないなにもかもが奇跡に思え
普通でいられること、生きていることの幸せをかみしめ、
ささやかな心温まる時間を過ごす。
なんだか逆に生きる元気をもらった気がした。
開催に踏み切ってくれてありがとう。
不謹慎の先に、生きる希望があるのかもしれない。
そんな気持ちに包まれた。
---
ところで、式の前に行ったいつもの美容室にて。
超がつく不器用人間なので、ヘアメイクも顔メイクも美容師さんにおまかせ。
早朝の開店前からスタートしたので、客はまだ私ひとりの貸切状態。
店主がヒマをもてあまし、読マンガの邪魔をするのである。
「ところで、君はいつ結婚するん?」
親戚のおばさんのごとく、なかなかのおせっかいぷりである。
まぁでも、たしかに、明日の日本のためには
自分のこどもを、即金で4億をポーンと寄付できるくらいの芸能人に育て上げるくらいの
女子的使命感が必要なときなのかもしれない。
となると、今すぐ私がしなければならないのは、恋愛か?
ううーん、ううーん、そいつぁ、なかなかハードルが高いでござるな。
ちょっとさすがにそんな気分にもなれないでございますお。
いったいぜんたいどーすればよいというのか?ハタと困り果てた。
そのとき、主は云った。

葛藤は続く…。
by Kiyoomvich
運命の日のあと、とある島に住むおじさんを案ずる。
テレビの報道は東北ばかりで、"Tsunami"大警報に位置していたその島については
一切語られず、電話も繋がらず、おろおろ。
幸いにして数日後、いつもどおりあっけらか~んと電話をくれたおじさん。
島は何事もなかったようで、ホッとひと安堵。
なにか送ろうか?と云ったら
「わしの心配はいらん!
それよりおまえはなぜ恋人をつくらんのか?
恋人もつくらん、結婚もせず、子供も産まん。
明日の日本のためにもならんようなやつは、今すぐしね!」
おっと、なんたる不謹慎発言w
ノタマリやがったな…おのれ…w
この行き場のない善意をどうしてくれよう…ワナワナ。
---
ところで、先日同僚の結婚式にて。
関東方面からの参列者の辞退もあり
開催するか否か判断に迷ったことと思うのだが、中止も延期もしないということで、
迷わずGO!
まだまだ春の来ぬ寒空の下、親族ばかりの内輪のガーデンウェディング。
みなチキン肌で肩をぶるぶる震わせつつも
ほんのりとあたたかな日差しやシャンパングラスの乾杯音、
プロポーズ代わりの新郎の歌や新婦の母への手紙、
みんなの笑顔に包まれ、なにげないなにもかもが奇跡に思え
普通でいられること、生きていることの幸せをかみしめ、
ささやかな心温まる時間を過ごす。
なんだか逆に生きる元気をもらった気がした。
開催に踏み切ってくれてありがとう。
不謹慎の先に、生きる希望があるのかもしれない。
そんな気持ちに包まれた。
---
ところで、式の前に行ったいつもの美容室にて。
超がつく不器用人間なので、ヘアメイクも顔メイクも美容師さんにおまかせ。
早朝の開店前からスタートしたので、客はまだ私ひとりの貸切状態。
店主がヒマをもてあまし、読マンガの邪魔をするのである。
「ところで、君はいつ結婚するん?」
親戚のおばさんのごとく、なかなかのおせっかいぷりである。
まぁでも、たしかに、明日の日本のためには
自分のこどもを、即金で4億をポーンと寄付できるくらいの芸能人に育て上げるくらいの
女子的使命感が必要なときなのかもしれない。
となると、今すぐ私がしなければならないのは、恋愛か?
ううーん、ううーん、そいつぁ、なかなかハードルが高いでござるな。
ちょっとさすがにそんな気分にもなれないでございますお。
いったいぜんたいどーすればよいというのか?ハタと困り果てた。
そのとき、主は云った。

葛藤は続く…。
by Kiyoomvich
底辺の俺。
「ね、ね、僕ね、昨日、誕生日なんスヨ!」
日々後ろの席にいるその人は
おもむろに云う。
デスクの上に並ぶいろいろなお菓子たちは
あの人やこの人にもらったそうである。
仕事どきには見せないなんとも無邪気で嬉しそうな表情だ。
ふむ。
これは暗に祝っておくれと云っているのだな。
そう察した私はこそりこそりとコンビニへ赴く。
適当なお菓子でもあげようか。
そう考えたが曲がりなりにも主の上司にあたる身として
そんな陳腐なものでは今後主との仕事関係に差し支えが出るかもしれない。
ここはひとつケーキでもプレゼントしようか。
そう考えたが曲がりなりにも主の上司にあたる身として
すぐに食べなければいけないナマモノを与えてしまっては
上からのお叱りを受けてしまうかもしれず
そうなってはせっかくの誕生日が台無しである。
しかしそこはコンビニ。
気の利いた贈り物を選ぶには
選択肢がなさすぎる。
ふむ。
どうしたものか。
悩んだ末に目の前に現れたそれはまさに救世主のようであった。
これならきっと主も喜んでくれるにちがいない。
「…。」
うーむ、言葉に詰まるほどうれしいのか。
うんうん、いいんだよ、お礼なんて。
「…いったい、いくらしたんスか?!」
いあいあ、そんなに高いものじゃないから
遠慮しなくていいんだよ。
「…24年間生きてきて、こんなもの初めてもらったッス!!」
あ、そんなに喜んでくれるとは思わなかったよ。
忘れられない誕生日になって光栄です。
「…こ、このままじゃ食べられないッス!!」
そう主が云うと周りから
「卵を贈ってあげよう!!」「シロップは僕が!!」
と次々と挙手の声があがる。
うんうん、君は幸せ者だ。
「…で、いったい誰が焼くんスか?!」
あ、モチロン自分で焼いて食べてね♪
そしてまた言葉に詰まり、喜びに肩をふるわせる主。

※プライバシー保護により、フルフェイスで登場いただきました。
誕生日オメデトー!
by Kiyoomvich
日々後ろの席にいるその人は
おもむろに云う。
デスクの上に並ぶいろいろなお菓子たちは
あの人やこの人にもらったそうである。
仕事どきには見せないなんとも無邪気で嬉しそうな表情だ。
ふむ。
これは暗に祝っておくれと云っているのだな。
そう察した私はこそりこそりとコンビニへ赴く。
適当なお菓子でもあげようか。
そう考えたが曲がりなりにも主の上司にあたる身として
そんな陳腐なものでは今後主との仕事関係に差し支えが出るかもしれない。
ここはひとつケーキでもプレゼントしようか。
そう考えたが曲がりなりにも主の上司にあたる身として
すぐに食べなければいけないナマモノを与えてしまっては
上からのお叱りを受けてしまうかもしれず
そうなってはせっかくの誕生日が台無しである。
しかしそこはコンビニ。
気の利いた贈り物を選ぶには
選択肢がなさすぎる。
ふむ。
どうしたものか。
悩んだ末に目の前に現れたそれはまさに救世主のようであった。
これならきっと主も喜んでくれるにちがいない。
「…。」
うーむ、言葉に詰まるほどうれしいのか。
うんうん、いいんだよ、お礼なんて。
「…いったい、いくらしたんスか?!」
いあいあ、そんなに高いものじゃないから
遠慮しなくていいんだよ。
「…24年間生きてきて、こんなもの初めてもらったッス!!」
あ、そんなに喜んでくれるとは思わなかったよ。
忘れられない誕生日になって光栄です。
「…こ、このままじゃ食べられないッス!!」
そう主が云うと周りから
「卵を贈ってあげよう!!」「シロップは僕が!!」
と次々と挙手の声があがる。
うんうん、君は幸せ者だ。
「…で、いったい誰が焼くんスか?!」
あ、モチロン自分で焼いて食べてね♪
そしてまた言葉に詰まり、喜びに肩をふるわせる主。

※プライバシー保護により、フルフェイスで登場いただきました。
誕生日オメデトー!
by Kiyoomvich
