中日新聞社は31日までに

「フジサンケイグループ」の実質的持ち株会社

「フジ・メディア・ホールディングス」(以下、フジメディアHD)の株式の過半数以上を株式公開買い付けで取得したことを明らかにした。

(画像は中日新聞社の社旗)

 

これに伴い、フジメディアHD傘下のフジテレビジョン、ニッポン放送、サンケイビルなどグループの中核企業の社旗を

中日カラーのデザインに変更する見通しが付いたことを併せて明らかにした。

(画像は変更後のフジ・メディアHD社旗のイメージ) 

 

※中日新聞社の社旗について

 上半分が赤、下半分が紺色。上半分の左側には同社の社章(いわゆる中日マーク)、下半分の右側には「中日」の文字が白抜きで染め抜かれている。なお、赤は燃える情熱、紺色は無限の発展と冷静さ、白は公正・中立を意味している。(Wikipediaより引用)

 

そしてフジ・メディアHDが筆頭株主であるフジサンケイグループの活字媒体の中核である産業経済新聞社(通称:産経新聞社)の社旗,

銘柄旗も同時に変更される見通しとなった。

 

 

 

産経が発行している「サンケイスポーツ」「夕刊フジ」、そして経済専門紙「フジサンケイビジネスアイ」を発行する日本工業新聞社は

上記のデザインに改めることで決着が付いたが、産経本紙については上記4種類のうちどれを使用するか未だに決まっておらず

当分の間この4種類を併用する形になるという。

 

 

フジテレビ、ニッポン放送については、改めて上記のデザインに改めることで落ち着き

 

  

「彫刻の森美術館」「美ヶ原高原美術館」を運営する公益財団法人彫刻の森芸術文化財団

そして産経新聞グループのラジオ局「ラジオ大阪」こと、大阪放送(OBC)も従来の社旗と併用することを条件に受け入れを表明した。

 

その一方、フジサンケイグループのドンこと日枝久・フジサンケイグループ代表は「我々自体が絶頂期に浮かれすぎて、後退期に入って自力での立て直しが効かなくなったということ。そこで苦渋の決断ではあるが、中日さんとパートナーシップを組んで体制の立て直しを図ることにした。我々の“正論路線”と中日さんの“真実・公正・進歩的”と主義主張は異なるが、相互不干渉のもとで上手くやっていければと思う」 とやや気落ちした口調で話したという。

 

その一方で、従来より中日と関係が深い地元・名古屋の民放各社はというと

中日が筆頭株主である東海ラジオ放送は「筆頭株主からの要請であり、グループ全体の結束強化のために受け入れたい」とすんなり受け入れた。

 

そして、創立以来「新聞と放送は別だ」というスタンスを貫き通してきた中部日本放送(CBC)は

傘下のCBCテレビ・CBCラジオの自社製作番組の「製作・編集方針に介入しないこと」を条件にこれを受け入れた。

 

 

一方で、意外や意外、揉めに揉めたのが東海テレビ放送だった。

同社と社屋を共有する東海ラジオが筆頭株主で中日が間接的に経営を支配しているが

東海テレビ側は「我社の伝統であり誇りである"1マーク"を白抜きにしてプライドを骨抜きにするのか」と憤り

一方中日側は「1マークのことなんぞ関係ないわ。誰がドラゴンズ戦をCBCとおおよそはんぶんこにして放送させてやってるんだ。うちの言うことを聞け」とやり返したが

中日側が交渉にあたった役員の態度に問題があったとしてその役員を事実上更迭し、従来どおりテレビの三原色である緑、青、赤の三色を用い人間の眼を表現している1マークの原色使用継続を認めた上で、折り合いがついた。

 

そして、中日、北海道新聞社と「新聞三社連合」を構成している西日本新聞社(福岡市)は、経営体制の強化・革新に向け、中日と資本業務提携を結ぶことで合意したと発表。

社旗のデザインも中日仕様に一新した。

一応申し上げるが、西日本新聞社が発行している西日本スポーツは中日スポーツ・東京中日スポーツとプロ野球以外の一般スポーツ面など一部紙面を共有し、プロ野球に関しては相互に記事を融通している。

 

それにしても、まさか80年代から90年代に掛け栄華を極めたフジサンケイグループが中日グループの軍門に下ることになろうとは、誰しも想像できなかったに違いない。

ただでさえ噛み合わないフジサンケイの正論路線と中日の徹底した権力監視路線はまさに水と油だが、ネットメディアの台頭によって岐路に立つ活字メディアの不況をはたして相互不干渉のもとで互いに乗り越えていけるのか、今後の動向が注目される。

  

 

(参考)中日新聞社東京本社が発行している「東京新聞」「東京中日スポーツ」

名古屋本社、北陸本社(石川・金沢市)・東海本社(静岡・浜松市)管内で発行しているスポーツ紙「中日スポーツ」の銘柄旗

そして傘下のプロ野球チーム「中日ドラゴンズ」の球団旗。

 

 

※おまけ

産経新聞の旧題字「サンケイ」(亀倉雄策氏デザイン)と、今はなきフジサンケイグループの活字メディアの源流とも言うべき夕刊紙「大阪新聞」の銘柄旗(MAD)