今年前半のコンサートから、印象に残ったものについて書いておこうと思います。
大好きなブルックナーは3月にインバル&都響で8番を、5月にヴァイグレ&読響で9番を、6月はヤルヴィ&N響で3番を聴くことが出来ました。
東京都交響楽団は、現在の大野体制の時よりもインパル体制の時の方が勢いがあったと思うのですが、このコンビの待望の8番ということで、やはり充実した内容でした。もともとクセのあるブルックナーを演奏する指揮者ですが、それも堂に入っているとサマになります。迫力ある、気宇広大なブルックナーだったと思います。
ヴァイグレは、あの人気者のカンブルランの後を継いで読響の首席指揮者になったということで、その就任記念コンサートでもあったものです。演奏は丁寧な1楽章が最も印象的でした。3楽章のサラッとした、スピードのある演奏は意外性があり、納得はできなかったものの、今後のこのコンビに色々な意味で楽しみが膨らむような演奏でした。9月にはマーラーの5番を聴く予定ですが、とても楽しみです。
最後のヤルヴィとN響ですが、以前もヤルヴィと外来オケでブルックナーを聴いたことがありましたが、その時も今回も、なんとなく作為的な部分が鼻について期待はずれでした。
この他では、川崎のカルッツ川崎で聴いたウルバンスキと東京交響楽団のショスタコーヴィッチ交響曲第4番が、圧倒的な名演として記憶に残りました。また、このコンサートの前半でモーツァルトを弾いたヴェロニカ・エーベルレのヴァイオリンの可憐な美しさは印象的でした。エーベルレは確かこの秋に都響とベルクのヴァイオリンコンチェルトが聴けるはずで、これも楽しみです。
東京交響楽団では、首席指揮者のノットとのショスタコーヴィッチ交響曲第5番も名演でした。
このコンビは今都内のオケでは最も安定しているのではないでしょうか。それに次いでしばらく楽しみなのがヴァイグレと読響です。