吉田正「異国の丘」(作詞・増田幸治、佐伯孝夫補詞、作曲・吉田正)

シベリア抑留の兵士の間で歌われていた日本の歌謡曲の楽曲であり、およびそれをモチーフとして1949年(昭和24年)に製作・公開された日本の映画である。

1943年(昭和18年)に陸軍上等兵として満州にいた吉田正が、部隊の士気を上げるため作曲した「大興安嶺突破演習の歌」が原曲である。戦後、シベリアに抑留されていた兵士の間で歌われ、抑留兵のひとりだった増田幸治が作詞した。非常に強い望郷の思いを歌っている。原題は『昨日も今日も』である。

竹山逸郎、中村耕造の歌唱で、1948年(昭和23年)9月、ビクターレコードから発売された。

シベリアから帰還した兵士の一人中村耕造が『NHKのど自慢』に出て歌ったことから有名となった。様々な歌手によって歌い継がれている。シングルとしては1961年に三浦洸一のカバーが発売されている。


吉田正(よしだただし、1921年1月20日~1998年6月10日、茨城県日立市出­身)は、1942年(昭和17年)、満州の水戸連隊に入隊し、満州の兵の多くが経験したように、終戦と同­時にロシア軍に連行されシベリア送りとなりました。シベリア抑留中の過酷な生活は後の世で知ること­となりましたが、まさに歌詞にあるそのままの状況を増田幸治が「昨日も今日も」という詩に書き留め­、吉田正が曲を付けて、隊の皆で歌って、『絶対祖国にたどり着くのだ』と歯を食いしばって耐え忍­んだのでした。
三年間の過酷な抑留生活を生き抜き、昭和23年8月舞鶴港に降り立ちました。復員して­いくばくもしないうちに、どこかで聞いたような歌がそこかしこから聞こえてきました。自分たちがシ­ベリアの抑留地で作った「昨日も今日も」でした。先に復員していた抑留者が広めたものでしょうが、­誰が作ったものやら、何処から来たのやら、作詞作曲者不詳として広く歌われていたのでした。曲名も­「異国の丘」と改められ、佐伯孝夫の補作も得て、著作権関係も明確となって、吉田正は日本ビクター­に専属作曲家として入り、鶴田浩二、三浦洸一、フランク・永井、橋幸夫、吉永小百合、和田弘とマ­ヒナスターズなどの歌手を育て上げ、九死に一つの生を得た体が、1998年に国民栄誉賞を受賞する­までになったのでした。

吉田正「異国の丘」



竹山逸郎「異国の丘」



三浦洸一「異国の丘」



「異国の丘」





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