21時をまわっているというのに、ほっかほか亭の袋を片手に家まであったかさを維持しようとはやめにスキップしつつ、緩んだ顔をしていた私。(だって人気ないし)
揚げ物するのが怖い(間違ってもこれは萌えポイントではありません)私、一人暮らし(二人ではあるけど料理力が皆無の同居人のため)になってからは無性に食べたくなったとしたら、お弁当屋さんに頼るしかない。
GWだってんのに何やってんの!私。というつっこみは心の中です。

うほほーいと小走りに拍車かけて加速スキップしかけて後ろからの視線に気づいてふりむいた。
高校の同級生の畑山?!

正直、私にはからっきし自分の印象力に自信がない。(氷のように冷たい女という最悪のイメージであろうし)
さすがにお弁当も一緒に食べた仲とかだとわかるけど、クラスが一緒だっただけの「男子」に私がわかるかどうか。
垢抜けちゃったとかではなく、正直何年も前と同じ顔で現れても、気づかれない自信がある。
だって印象力ないもの。
やばい、このままふりむいた顔、元に戻すか、いやいやその一瞬会釈とかしたほうがいいのか。
なんにしろ気まずい。
私はゆっくり顔を戻してスキップやめて普通に歩き出した。畑山ならこんなとこいないって(現実逃避。)


「高校で一緒だった野島さんですよね?」

後ろから話かけてきやがったー!逃げれない。とりあえずゆっくり振り向く。
とりあえず、「どなた?」風。不審気な顔。
でもほか弁を持つ女。
「やっぱりそうだ。」
「えっと、誰だっけ?」なんとなく知らないフリ。いや気づいてるんだけど思いっきり気づいてたのはなんかくやしい。
「畑山だよ。オマエとあんま飲み会とかしたことないからやたらひさしぶりだな。なにやってんだよ」
「ちょっと小腹がすいて」

小腹どころでなく量がずっしりつまったことがわかるお弁当の匂いがむんむんしてる。

「いやー、オマエほんとにかわんないからすぐわかった」
いきなりのオマエよばわりもさることながら、そういや、私はほか弁なら、と化粧もせず、まさに高校のままな顔してやがった(肌は衰えてます)一気に動揺がきます。
服も、ユニクロどころかmint candy とかそりゃないだろロゴつきパーカーだし。
信じて・・・普段の私はこうみえて、一応服には気遣うし、化粧もばっちり。変わってますって!ほか弁とか似合わない女なの!(自称)

「友達がここらにすんでてさ、ほら菊池。おぼえてる?」
「あーあー」とりあえず相槌。
「オマエ菊池と仲よかったっけ?他にも山田とかもいるし暇ならちょっと顔だしに一緒に行く?」
仲よくねーっつーの。印象力ないのがここにきて裏目。
クラスのヒーロー、菊池とその元彼女山田。キラキラカップルが復活愛?と地元でおかしく話す準備をしている場合でない。
もしここで顔出して、私が帰った後
「あいつほんと変わってねーな」とか感想いいあわれてるのはいいとして
「あんな調子ならほか弁ってのも納得だよな」とかいわれるのは我慢ならない。多分山田さんはキラキラしてるだろうし。
って加速する妄想ルックの今の私はほんとほか弁の似合う女ルック。
それは認める。
ただ、何年か後の同窓会で華々しくあらわれほんと変わったねー(良いほうに)とかいわれるの夢みてた。
やべーその計画ここで台無しか。

「いやさ、今、用事あるてか友達きてて、これも友達に頼まれてかいにきてんだよね」

わお!ものすごくうそ臭い。友達のパシリなってますがな。ま、実際同居人の分も買ってきてるんだけど。
「へー、ならまた今度な。じゃ」
去り際、さわやか畑山君。社交辞令で誘ってくれただけで助かったわ。
相変わらずいい人。今そこにあるどうでもいい危機はぬけだした。

というか畑山君一体いつから前にいるのが私だって気づいてたのか。
背後から、華麗なる私のスキップみられたのは間違いなかった。

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GWだからって帰省している人多いから、みんな背後注意ね!