久しぶりにお稽古に行ったら筋肉痛になった
という話を前に書きました。
もう10年前でした。
あの時のことを思い出したので
ちょっと書いてみます。
先生がよく
「大人なんだから、無理しないでほどほどに」
と、おっしゃっていました。
これは、
大人なんだから、怪我しない程度に加減して。
という意味と
大人なんだから、もう本気でやる必要ない。
という意味があると思います。
当時の私は、バレエの筋力をつけて代謝をあげて
きれいに痩せたい。どうせ運動するなら好きな
ことをやりたい。と思っていました。
それと、子供のころバレエで作ったトラウマを
何とかして、悪夢を見なくなりたいと思っていた
というのが、大きな動機でした。
筋肉の再生は2日くらいというのを、当時の私は
信じていて、バレエで筋肉痛になるのはむしろ
大歓迎というか、大きな目標のようなものでした。
でも実際にお稽古に行ってみて、私には筋力よりも
明らかに持久力が足りていませんでした。
程ほどのレッスンを1回受ける体力がありませんでした。
先生が無理スンナと言うのも当然です。
何もしていなかったのだから、お稽古1回分の
集中力とか肺活量とか何もかもが足りません。
まずは、呼吸と姿勢と、お稽古1回を十分楽しむ
ようなことを目標にしたことを覚えています。
多分2年目か3年目、大人バレエは続けることが
一番難しいんだなあと思っていたころ、
あの筋肉痛の日(笑
久しぶりのレッスンだから、無理するつもりは全く
ありませんでした。でもその日は予想外の不運でした。
その日、偶然、体験レッスンの人が2人いました。
私は前もって考えていた通りに、バーの1回目で左手を
持つほう、バーの右側の真ん中あたりに行きました。
なんとなくそのクラスではだれがどの辺という
持ち場というか、お気に入りの場所のようなところが
あり、私は2回目の先頭の次くらいを持つことが
多かった時期でした。それは2回目でも順番が覚えられない
ので端にならないようにしていたからです。
つまり前に誰かいないと不安な私は、参考になる人が前に
いてくれる位置を取るようにしていたのです。
その日、真ん中についたのは私はちっともやる気が
ないので、注意もしないでいただきたいという先生への
メッセージみたいなものでした。
やはり鏡前の1回目の先頭の人2人と、一番後ろ2回目の
先頭につくひとは自信があるか参考を必要としていない
自分のバレエのできる人だったと思います。そうじゃ
なくて、あんまり考えていない人もいたけれど。
そして、体験の2人はきっと先生のいる左側の真ん中辺りの
ところか、よくわからないけど端の方を選ぶのかなと
思っていました。
でも、その2人は私の前後に来てしまいました。
私はあわててもっと違う場所に移動しようとしましたが
もう、動けませんでした。仕方なく私は久しぶりなので
参考にしないようにして欲しいと体験の2人に言いました。
私の持病はストレスに弱いので、苦痛でした。
前を向いても後ろを向いても、全く初めてバレエの人が
私の動きを参考にする…、覚悟を決めました。
私は太っていて手足も短い、新しいことは覚えられない
でも、自分のバレエの全力を振り絞って、絞り出して
今日初めてレッスンを受けるこの2人の多少の参考にでも
なろう、だけど、なるべくいろんな人を見てね、私だけを
見ないでね、出来たら先生とか先頭の人を見てね。と
願うように始まったレッスンで、私はNバレエ塾へ通うように
なって初めて全力の体力でお稽古を受けました。
センターでもその2人はなぜかがっちり私の後ろをマークして
離れてくれませんでした。
私は、鏡に映る自分のシャンジュマンの空中の足が、
足裏が向き合って、つま先が伸びているのを、大人バレエを
始めて初めて見ました。なんだ私こんなことできたのね。
と、思っていました。何もかもできる範囲でベストのことを
やってみよう、やらなくちゃと、頑張りました。
意外とできるものだなあと思いました。
その翌日、立ち上がれないほどの筋肉痛になるとはその日
思いませんでした。
後日、「そういえば、久しぶりに来たのに『バレエ力』が
落ちていないというか、いつもよりいい」と思ったと先生に
言われました。そうですよ、いつもほどほどにとか、
大人なんだからそんなに、と言われてきて、出したことない
全力を出したつもりだったのです。
つまり何が言いたいかというと、バレエも力いっぱい
やったら筋肉痛になり、その部分には筋肉がつきますよ。
という話です。
近頃、少しだけ手足が痩せて、左右の足の筋肉のつき方の
違いが気になりだして、筋トレのようなことを考えて
あの頃のことを思い出しました。
一生続けたかったけれど、結局続けられなかったなあ。
またお稽古したいなあ。