「初めまして、御紹介に預かりました
佐々木 紅奈 ともうします。

私は、北海道で生まれ育ち
1年前まで地元にいました

家族は、父親、母親、妹
私が小学生のときに父が努めていた
会社が倒産して、私は新聞配達をして
少しずつ家計の足しになるように
していました。ですが、父の
再就職は中々決まらず、
優しかった父は何処にもいなくなり
家族に暴力をふるい、母親と妹は
私を置いて出ていきました。

それからの私は、
新聞社の販売代理店の所長さんの
お家に引き取られ、実父との
関係を法をもって切りました。
所長さんに助けて頂いてからは
高校を卒業後、地元で働いていましたが
縁を切ったあの人が何年もたって
私の前に現れて襲いかかってきたんです

暴力を振るっていた時よりも
目が虚ろで、人間じゃなくなっていた
気がしたのが、凄く怖くて。
また、所長さんに助けて頂くのは
駄目だと思って、私は自分から警察に
行って、自分の口から実の父親を逮捕
してくださいと言いました。

私は、ほんとの家族を失いました。」

紅奈が自嘲的な笑いを浮かべると
二宮一家が驚愕の表情を浮かべた

「最低な父親と最低な娘です。」

と呟いて紅奈は続けた

「私はそのあと、所長さんに
恩返しが、できる人間になるために
東京に行きますと伝えてここに
出てきました。それからは雑貨屋さんなどで
働いていましたが、店長の男性から
セクハラを受けて男性が怖くなりました。
女性が沢山いる職場が夜の仕事しか思いつかず、私は夜の世界で働き始めたんです。
指名されても必要以上に接することをせず
すぐにボーイの方に違う席から指名が
来ている振りをしてもらって逃げていました

そんなある日、店でキャバ嬢
ひとりひとりとお話をする
秀東 …今、私が働いているお店
の代表に拾って頂きました。
そのお店ではわたし達は遊女と呼ばれますが
江戸の吉原のような身体を売ることはしません。言うなら、レストランのウエイターや
サーブをする立場の従業員です。
もしも、身体の関係を持つのなら
お客様は独身であること、
生涯なにがあっても傍にいる
自信もって結婚できること
が条件になります。
私はそれを知ってから1番
最初に指名してくださった方に
買って頂こうと思っていました

すでに地に堕ちた人生です。
落ちるとこまで堕ちてしまおう
そんな風に思っていたところ、
声をかけてくださったのは
和也さんなんです。」

「…あの時、言ったあの言葉は
そう言う事だったの?」

「だからは私は、お声をかけていただいてからみを委ねる準備をしてから和也さんと
櫻井様の前へ出ました。

しかし、貴方は私を組み敷く訳でも
質問攻めをするわけでもなく
『僕の隣に来てくれませんか』と
普通のお付き合いを申し込まれた上に
自然と、私を止めたんです。堕ちていった
私を自然と上に引き上げようとした。
私を、一人の女性として接して下さった

そんな扱いが嬉しかったのと同時に
段々、貴方は私に関わっては いけないとう
思いを抱くようになりました。

“幸せにする”と言われて私は
どうしたらいいか分からない。

そもそも、幸せになる資格なんかないし
夜の世界にいる私と関わるなんて
世間からは批難の声が貴方の
活動に迷惑がかかる。

…和也さん、凄く短い間
でしたけど、優しくして頂いて
ありがとうございました。

和也さんのお父様とお母様
私のような者が和也さんと
お仕事とはいえ、関わりを持ってしまい
申し訳ございませんでした。」

頭を下げた紅奈に
 母は声をかけた

「私はもう、貴女が幸せに
なってもいいと思う。」

「母さん…?」

「十分、苦しんで少しでも受け止めた
から、こうやって話してくれたのでしょう?
普通にすごせたのは数年間。
大人の世界に入っても負のスパイラル。
それを和が止めたなら責任持って
幸せに導いてあげるべきよ?
紅奈さんがただの水商売の子だったら
反対してたけど、単純にそうじゃなくて
今から地を這ってでも留まろうと
してるから、私は貴女を受け容れるわ

…お父さんはどうかしらね」

「俺は…」

ー続くー