私が提供したいのは、コーヒーという飲み物ではない。珈琲という体験である。
珈琲を通して得られる感動は、飲み物の味としての感動だけではないと考える。珈琲を挽いた時の香り、淹れている時間、周りの環境、くつろげるBGM、季節ならではの空気感、交わされる会話など、全てをひっくるめて珈琲である。かと言って、コーヒーの味に妥協しているわけではないのだが。
こうした一連の体験を通して、また飲みたい味、また行きたい場所、また会いたい人が少しずつ出来上がっていくのではないだろうか。
ブームにならなくてもいい。ただ、文化を作りたい。ブームは流行り廃りがあるが、文化は人が居る限り途絶えない。
この街に良い文化を一つ残したい。目指しているのは、「どこでも美味しいコーヒーが飲める街」、「琲珈のある街」。50年後にそう呼ばれるように、今がある。答え合わせまでこの世に存在できるか。