腋窩多汗症の治療薬として、5月23日、ラピフォートワイプが発売になりました。
今まで保険での処方が可能であった外用剤はエクロックゲルのみでしたが、新たにラピフォートワイプが加わりました
前回の記事で書いていたように、多汗症の原因となる汗は、交感神経により調節されエクリン汗腺から分泌されます。ラピフォートワイプの有効成分であるグリコピロニウムトシル酸塩水和物は、汗腺のムスカリンM3受容体へのアセチルコリンの結合を阻害することで、薬を塗布した脇の下の発汗を抑制します。 基本的な作用機序はエクロックゲルと同様ですね
1日1回使い切りのふき取りタイプで、簡便かつ衛生的に使用することができるのがポイントですただし使用可能な部位はワキだけですので注意が必要です。抗コリン剤であり副作用の生じる可能性がありますので、他の部位には使用できません。
少し前までは多汗症で保険適用の外用剤がなく、院内製剤で塩化アルミニウムローションを作るくらいだったのが、腋窩だけとはいえ、保険内での選択肢が増えたのは喜ばしいことです。
適応があるかの判断には診察が必要ですので、処方をご希望の方は一度受診の上ご相談ください。
外用薬以外の治療として、抗コリン剤や漢方薬の内服などもあります。
また、保険適用外になりますが、自費でのボトックス注射も行っております。
どうぞお気軽にご相談ください。