こんにちはきたきたです。

 新店舗ですが、開店が遅れております。移転が終わり次第再度開店しますゆえ、旧喜多屋総本舗にて皆さまのお越しお待ち申し上げております。

 ただいま、幽斎庵を連れて新店舗の下見に来ております。

 きたきたであります…


 「ココが新店舗かね・・・なんだ、前の店とそんなに変わりが無いじゃないか」

 積もったホコリを祓いながら幽斎庵がつぶやきました。

 「悪くないだろ? 喜多屋の前の店にも近いし目の前に地蔵さんもいる、一応風水でも見てあるんだぜ!」

 「ほう・・・」

幽斎庵はあちらこちらを見て、何事かチェックをしているようです。

 

 「悪くはなさそうだな…む? そこっつ!」

 幽斎庵が不意に懐中のドーマンセーマンに手を伸ばしました、目にもとまらぬ速さでドーマンセーマンが宙を切り何者かに当たると、火花を出してそこに張り付きます!

 「勘弁してクダせぇ ダンナ」

 そこには小さな子鬼が横たわっていました「ヤナリ」と言う古い家をガタガタと鳴らして遊ぶアヤカシであります。

 「何だ、ヤナリかね? てっきりビンボウガミでも居るかと思ったよこれはすまん事をした」

 幽斎庵は呪をとくとヤナリにそう言ってわびました。

 「この手の古い家には古屋の守と言ってたくさんのアヤカシが住んでいるもんだからね…いや喜多屋面白い物件じゃないか! ここに決めよう!」


 「ダンナ方が新しい、御かじんでゲすか? ここにゃあ、まだ姿を隠しちゃいますが一杯いますぜ!。わしらは群れをなすのが決まりみたいなもんでゲすから」

 「しかしまた妖怪屋敷か! でもまあ面白そうだろ!なあ幽斎庵?」

 「ああ、ここは面白い! あの瓢箪も今度連れてきてやりたまえ、ヤナリ! 君に命ずる! これからは我らがこの家の主人である! お客様に迷惑をかけないように!」

 「へえ、かしこまりやした・・・他の連中も見てるに違いないでゲすからよーく言って聞かせやしょう」

 ヤナリはそう約束してくれました。


 「こいつは面白いことになりそうだ!」

 幽斎庵が珍しく、にやりと笑っていました。