前回の記事「将棋の序盤中盤終盤について整理する」で、将棋のゲームの流れを序盤・中盤・終盤の3段階に分け、その3段階についてどのような場面・局面か考えてみました。

是非そちらもお読みください。

 

色々な将棋勉強方法と言うのは、詰将棋・棋譜並べ・定跡・・・この記事ではブログや動画でよく名前の出てくるものにします。

 

各勉強法の序盤・中盤・終盤の3段階への効果の強さを「◎〇△?」の4つで評価し、現在の私が考える効果を短評で書き出していきます。

◎効果絶大

〇効果あり

△間接的な効果

?場合による

どんな勉強方法でも3段階各所に効果はあるので4つの評価にしました。最後にその結果を一覧表にします。

 

後日、各勉強方法について深く考える記事も書きますので、追加で記事へのリンクも貼ります。

 

  1.詰将棋

序盤〇 中盤〇 終盤◎

 

駒の動かし方を覚えたら詰将棋と言われますが、王様を詰ませる=将棋の勝利という絶対的な正解があるからですね。詰みという終盤の中の終盤の勉強方法なので終盤◎は当然です。

絶対の正解がある中で駒の正しい動かし方や使い方も覚えることになりますので、序盤・中盤への効果も〇でいいと思います。

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  2.必至

序盤△ 中盤△ 終盤◎

必至は相手玉に受けがなく次の手番から詰ませる、という状態にすることです。終盤の終盤一歩手前にあたります。1手3手5手の短手数詰将棋を解けるようになった次の段階の勉強方法と言われています。

詰将棋と同じような効果はありますが、必至になったら次に相手玉が本当に詰みかを確認する必要もある、つまり必至からまた詰将棋を解くことになります。

意識的にはより終盤に特化した勉強方法です。効果は特に終盤に強く出ると思うのでこのような評価にしました。

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  3.囲い崩し・寄せ

序盤△ 中盤〇 終盤◎

中盤の終わりから終盤の入り口が囲い崩しや寄せになります。寄せはここでは相手玉に受けがまだある「詰めろ」やその詰めろの一歩手前の状態にすることを指します。

囲いを崩す作業は中盤に行うこともありますし、囲いを崩しても詰めろ・必至・詰みにするには盤上の駒や持ち駒が足らずに駒を補充する中盤の状態に戻ることもあります。また中盤の終わりと考えられるので中盤〇終盤◎としました。

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  4.次の一手・手筋

序盤? 中盤? 終盤?

全て「?」としました。次の一手も手筋も序盤・中盤・終盤どこにも効果があるものだったり、どこかに限定のものだったり、戦法によるものだったり、色々とあります。

将棋における手筋という言葉が「技」や「小技」という意味合いが強いですが、それを学ぶのが次の一手や手筋の問題集や教科書です。

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  5.棋譜並べ

序盤〇 中盤〇 終盤〇

棋譜を読みながらプロやアマ強豪の棋譜を将棋盤などに再現していく(並べる)勉強方法です。1局全てを並べるので、序盤・中盤・終盤すべてに満遍なく効果があります。人により、「効果なかった」「終盤強くなった」「中盤わかるようになった」「序盤が整理された」と声はいろいろですので、棋譜並べに対する勉強する当人の意識づけが大事ですね。

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  6.定跡

序盤◎ 中盤〇 終盤?

プロや高段者の研究開発した戦法を定跡書や実践から理解・暗記したり、将棋AIソフトを使ってオリジナル定跡を作ったりします。序盤の駒組の意味を知る勉強方法ですので、特に序盤に効果があります。駒のぶつかる中盤も取り扱うことがほとんどですので中盤にも効果があります。ゴキゲン中飛車超急戦や角換わり腰掛け銀のように戦法(戦型)によっては詰みまで研究されていることがありますので終盤は?にしました。

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  7.対局(平手)

序盤◎ 中盤◎ 終盤◎

先手と後手に分かれて20枚対20枚のハンデ無しで行う実戦です。勝っても負けても効果は序盤・中盤・終盤に絶大ですが、その対局に対する意識づけ、問題点を洗い出す対局者による感想戦や将棋AIによる悪手探しがないと効果は0になる事もあります。

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  8.対局(駒落ち)

序盤◎ 中盤◎ 終盤◎

実力差がある場合や指導(教育)目的に上手が何枚か駒を落とし(使わず)、下手が20枚で対局するハンデ戦です。プロ養成機関での段位や級位差による生き残りをかけて本気の対局もあります。

プロとアマチュア、アマチュア同士では指導対局と呼ばれる上手下手の技術力アップのために行われることが多いです。平手対局と同じく効果は絶大ですが感想戦が大事になります。指導目的の場合は感想戦がないとダメレベルです。

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  9.感想戦

序盤〇 中盤〇 終盤〇

対局者同士が対局後に良かった点や悪かった点などの振り返りを行うのが感想戦です。対局者が級位者の場合は観戦していた誠実な強い人も交えるとより効果は高くなると言われています。3段階全般に効果があります。

高い効果を得ることができますが、ネット将棋では行われないことがほとんどです。

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  10.将棋AIソフト解析

序盤? 中盤? 終盤?

ネット将棋の対局では感想戦が行われないことがほとんどですのでその代わりに棋譜の解析を行うことが効果を得られます。感想戦が行えた場合でもさらに最善手を見つけるために行うこともあります。

詰みや相入玉までの何十手先にたどり着くために膨大な変化をわずかな時間で解析した結果の最善手は人類では意味が分からないことがあります。そのため、絶大な効果を得ることもあれば全く効果がないこともあります。その点には注意が必要ですのですべて?です。使い方付き合い方も大事です。

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  11.形成判断

序盤△ 中盤◎ 終盤◎

特に中盤から終盤にかけて、有利・互角・不利を判断することです。プロやアマ強豪、高段者では当たり前に行われていたことですが、経験から語られていた印象があり、級位者や低段者には理解しづらかった面があります。

ここ数年で良い動画や良い本が増えた分野です。言語化されてより論理的になりました。定跡から離れた中盤あたりから終盤で効果が高いのでこの評価です。

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  12.将棋観戦

序盤〇 中盤〇 終盤〇

プロの対局やネット将棋で将棋を観戦することです。次の手を考え、プロ将棋の解説がある場合などは聞いて理解することで全体的な実力を伸ばします。集中力が何より必要な勉強方法です。満遍なく効果がありそうという点では棋譜並べと似ていると思います。

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まとめ

 

  序盤 中盤 終盤
1.詰将棋
2.必至
3.囲い崩し・寄せ
4.次の一手・手筋
5.棋譜並べ
6.定跡
7.対局(平手)
8.対局(駒落ち)
9.感想戦
10.将棋AIソフト解析
11.形成判断
12.将棋観戦

◎効果絶大

〇効果あり

△間接的な効果

?場合による

 

以上が各勉強方法が序盤・中盤・終盤の3段階に与える効果の私の評価です。

10年ほど前、初段を目指して将棋指していたころにやっていたことを改良して、文章化して表にしてみました。改良前は項目少な目で終盤かそれ以外かというものでした。あるゲームの「ダート◎」を見た時に思いついたものです。

 

・強化したいところ

・弱点の克服

この表をもとにその時必要な将棋の勉強方法をやっていこうと思っています。今は全般的にですね。

 

読者のみなさんの評価の仕方もそれぞれあると思います。また他の勉強方法もあるでしょう。何を勉強しようかと思った時に表を見て今やるべき事を見つけるのに便利ですよ。

 

忙しくて何もできなかったけど、寝る前10分Youtubeで高段の人の将棋考えながら見たんで勉強になった、で実際将棋の勉強から離れてないですからOKですよねー

0じゃないと言う事にする安心感や自己肯定感はとても大事です。


それではおやすみなさい。