小乗教の「空」と大乗教の「空」の違いがわからない人がいるようなので | kitani1のブログ

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小乗教の空も大乗教の空の違いがわからない人がいるだけでなく、同じものだと思っている人がいるようだ。

簡単に違いを解説しておくと

小乗教の空の思想の目指す所に着目するとよいのではないだろうか。

小乗教では、

三界六道の見思(けんじ〔見:思想上〕〔思:思い込み〕)の煩悩を断じて有余涅槃に入り、

灰身滅智(けしんめっち)して、無余涅槃に入る、

事を悟るという。

つまり、色心二法ともの「空」になる事を悟りとする。ここには仮諦、中諦の意義がない事になる。


龍樹菩薩の「中論」では
「衆因縁生の法、我即ち是れ無なりと説く。亦た是れ仮名と為す。亦是れ中道の義なり」

とあり、

ここで「無」は「空」を示しているとされている。

「仮名」は「仮」、

「中道」は「中」である。

いくつかの大乗教の経典で「中諦」を示す法身如来の久遠を説かれている事からも、

灰身滅智で輪廻から離れるとは違っている。