今まで歩いてきた。





ずっと道だと思ってたのに、

それは綱だった。




もう、綱が、切れそうで切れそうで

スレスレぎりぎりのところを、



わたしはずっとずっとずーっと

ビクビクハラハラしながら、

怯えながら歩いてきた。



歩けなくて引き返したくて、

でもどこに行ったらいいのかもわからなくて、

そこで叫ぶことすらできなくて。



ただただ怖かった。





もう、切れそうな綱を降りた。


降りたらそこは、道だった。




えいやって、何度も降りようとして、


反動で綱がさらに切れそうで、



だからこそ、

どうにもならなくなった綱が

ただそこにあることに気づいた。



そして、ただ、ゆっくり

降りてみたらいいだけだったんだ。


なーーーんだ。



あーーーー、そっか。



ここから普通に、

歩いていったらいいんだってことが、

やっとわかった。




怖かったね。


偉かったね。


よく頑張ったね。



もう、大丈夫だよ。




膝から崩れ落ちた私は、


少し休んで、


また歩いて、



また少し休んで、


転んで、


泣いて、


助けてって願って、


助けてもらって、


また笑って、



少しずつきっと、今より進んでいけると思う。