出るべくして、出た本なんだろう。田原総一朗と百田直樹の対談「愛国論」は、間違いなく商品価値があり、出るべくして出た本といっていいだろう。 田原総一朗が左、百田直樹が右、と僕は単純に思わない。ただ、ふたりとも安倍晋三の評価が高いので一致しているのには、やや危なさを感じる。両者ともテレビがベースの人なので、物事があまりに単純で、わかりやすくて、ある種の深さがない。世の中、こんなに簡単だろうかと、読んでいて思わないでもなかったのだ。