夏になると
母が 必ず 言った
「食べさせたい 梨があるの」
かれこれ 30年以上前
夏になると 「梨 買いに行こう!美味しい梨」
そう母に言われて ついていくと
夏にしか開かない 生産農家さんの売店小屋
確かに 甘くて美味しい
皮を剥いているそばから
果汁がナイフをつたる
母が 亡くなって24年
夏になると その梨を買いに行く
今年も・・・
その梨の名前は 『幸水』
店先で その梨の名前を見ていて
涙があふれそうになった
幸せの 水
お母さん 食べさせたいって
そういう事?
わたしをいつも気にかけてくれていた
苦労を 背負わないように・・・
人の世話ばかりやいて お人好しだからって・・・
しあわせに なってほしいって・・・
お母さん
安心してね
わたしは 毎年 幸水梨を食べたから
とても しあわせです
お母さん
幸せの水のおかげで
わたしは 幸せな時間を過ごしています
ありがとう

























