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ラヴ KISS MY 書籍

 

 

あゆみの妊婦生活は順調に進んでいた。

 

つわりが酷く、横になっている日が多くなった。

 

「あゆみ、ただいま、大丈夫か」

 

俺は店から戻るとあゆみの寝室を覗いて声をかけた。

 

「凌、お帰りなさい、お疲れ様でした」

 

「友梨ちゃん、今日も頑張ってくれていたぞ」

 

「そうですか、今度何かの形でお礼をしたいです」

 

「そうだな、ボーナスでも出すか」

 

 

「そうですね、凌にお任せします、経営者としてホストクラブを大きくした経験者ですから」

 

「そう言えば、友梨ちゃんにヒカルを紹介してと頼まれて、友梨ちゃんの気持ちを伝えたら、ヒカルの反応は満更でもなかったよ」

 

あゆみは満面の笑みを浮かべていた。

 

「お似合いかもしれませんね」

 

「だろう?」

 

あゆみは急に目にいっぱいの涙が溢れた。

 

「あゆみ、どうした?」

 

「こうして、ゆっくり凌とおしゃべり出来て嬉しくて」

 

あゆみは嬉し涙を浮かべていた。

 

俺は花屋の店舗をなるべく繁盛させると計画していたが、そうではなくてやはりあゆみの夢は俺となるべく多くの時間を共有する事なんだと気づいた。

 

俺の存在意義は、ここにあると今更ながら感じた。

 

あゆみ、俺はお前と巡り会えて良かったと思っている。

 

あゆみの選択により俺の人生が大きく動いた時点で、お前は俺にとって奇跡だ。

 

記憶が無くなってもまた再会し、愛することとなるなんて、今は一分一秒でも一緒に過ごしたい。

 

あゆみ、愛している。

 

お前は俺の全てだ、記憶の彼方の奇跡の愛。

 

そして、夜の帝王の一途な愛、記憶が消えても何度でもお前を愛すと誓う。

 

 

              END