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ラヴ KISS MY 書籍

 

 

 

俺は蘭との事をどうあゆみに話したらいいか迷っていた。

「あゆみ、ヒカルが言ってた蘭のことだけど、特別な関係って言っても男女の関係はないからな、俺が店をオープンさせた時に世話になって、あゆみのこともちゃんと話してあるんだ」

 

「そうですか」

 

「フラワーアレンジメント蘭の女社長、真壁 蘭子なんだけど知らないかな」

 

「真壁 蘭子さん、知ってますフラワーアレンジメント蘭の社長さんですよね」

 

「そうそう、その女社長」

 

「お仕事のことで会っていたんですか」

 

「あっ、うん」

 

俺は答えに詰まった、この時あゆみの納得いかない表情に気づく事が出来なかった。

 

その夜、あゆみを抱きしめるも、あゆみは俺の腕からすり抜けていった。

 

「凌、本当の事を話してください、それまで寝室は別にお願いします」

えっ?嘘だろ?この夜から俺とあゆみは別の寝室で眠ることとなった。

 

もう、なんなんだよ、これじゃ何にもならないよ。

 

それからあゆみは俺と会話をしてくれなくなった。

 

蘭とのことで絶対疑っていると睨んだ。

 

そして追い討ちをかける様に蘭がヒカルの店にやって来た。

 

「ねえ、凌、店出すんだって?」

 

「えっ?やっぱりそうなんですか」

 

おいおい、蘭も蘭だよ、凌、店出すんだって?なんて言ったら誤解されるだろう。

 

案の定、俺は新しいホストクラブの店をオープンするらしいと噂が広まった。

 

しかも悪いことは重なるもんだ。

 

確かに蘭に相談したが、それは花屋のノウハウで、ところがいつの間にか新たなホストクラブを蘭と共に経営すると言う話になっていた。

 

俺は店舗の下調べに出かけ、夕方マンションに戻ると、あゆみは俺に話があると切り出した。

 

「凌、蘭さんをお好きなんですか」

 

「そんなことないよ」

 

「蘭さんと新たな人生を歩みたいと考えているのでしょうか」

 

「違うよ」

 

「ビジネスパートナーだけの関係なのですか」

 

「違う」

 

「それならそれ以上の関係ですか」

 

「そうじゃないよ」

「本当の事を話してください」

 

俺は仕方なくあゆみに本当の事を話し始めた。

 

「花屋の店舗を探していた」

 

あゆみは驚きの表情で俺を見つめた。

 

「あゆみに店をプレゼントしようと思って店舗を探していたんだ、花屋の店舗をオープンさせるにあたり、蘭にノウハウを聞いていたんだ」

 

「どうして」

 

「だってあゆみの夢だろ?花屋の店を持つ事」

 

「そうですけど……」

 

「あゆみに全て俺が出来る事を残したいんだ、花屋の店、そして俺とあゆみの子供」

 

「残したいって私の未来に凌はいないって事ですか」

 

「それは……」

 

「蘭さんと新しい人生を歩むって事ですか」

 

あゆみは泣きながら俺に訴えていた。

 

「バカだな、そんなわけないだろう、俺の側にいる女性はあゆみ以外考えられないよ」

 

「凌、本当に?」

 

俺はあゆみを引き寄せ抱きしめた。

 

「蘭とは何にもないし、あゆみを一人にしないと約束する」

 

「凌」

 

俺はあゆみとキスをした。

 

しばらく寝室が別だった為、あゆみへの思いを抑える事が出来ず、俺はソファに押し倒した。

 

「凌」

 

「あゆみ」

 

キスの雨は勢いを増してあゆみの全身に降り続いた。

 

あゆみは可愛らしい声を上げる、こんなにもあゆみを欲しいと思ったことはなかった位にあゆみを求めた。

 

あゆみの肌はピンク色に染まり、俺の唇があゆみの全身を吸い尽くした。

 

その度にぴくっと震えるあゆみの身体は俺を感じていた。

 

あゆみの中にゆっくりと侵入すると、あゆみは俺の唇を求めた。

 

俺は全てをあゆみに注ぎ込んだ。

 

何度も、何度も、何度も……