11月1日発売ラヴ KISS MY初書籍化

九条財閥会長九条権蔵は余命半年と宣告された。

 

権蔵は九条リゾートホテルを経営しており、後継者に悩んでいた。

 

「おい、ちょっと調べて欲しいことがある」

 

そう言って、秘書にあることを調べさせた。

 

権蔵は二十八年前華園恵子と言う女性と恋に落ちた。

 

結婚していた権蔵は、恵子が妊娠したことにより妻と別れるつもりだったが、恵子は権蔵の前から姿を消した。

 

恵子の息子を探し出し、九条財閥の後継者と考えていた。

 

しばらくして権蔵の元に朗報が届いた。

 

「会長、見つかりました、華園恵子さんが二十八年前出産した男の子は、華園誄様です、残念ながら恵子さんはお亡くなりになっていました」

 

「そうか、誄は誰に育てられたんだ」

 

「児童養護施設です」

 

「現在は二十八歳か、どこで働いている?」

 

「本間コーポレーションに勤めております」

 

「誄はわしが父親と認識しているだろうか」

 

「恵子様がどこまで話しているかわかりませんので、なんとも申し上げられません」

 

「誄と会う段取りをつけてくれ」

 

「かしこまりました」

 

恵子、近いうちにそっちへ行くよ。

 

誄に九条の全てを譲るからな、安心してくれ。