11月1日発売ラヴ KISS MY初書籍化
廉は体調が中々回復しなかった。
そして、検査入院を余儀なくされた。
「凛、ごめんな」
「何言ってるの、こんな時位しか恩返し出来ないから」
「なあ、凛、俺さあ、実は病気の事わかってたんだ」
私はビックリして固まった。
「凛が俺に靡かない事自覚して、それなら友達としてなら一緒にいられたらいいかなって、そう思う様に気持ちを切り替えていた」
私が廉と一緒に生きていきたいって思い始めたのに、廉は・・・
「多分、俺の人生そろそろ終わりかなって覚悟してる、幸いに凛は俺がいなくなっても大丈夫だから、安心したよ」
廉は何を言ってるの?
人生終わりってどう言う事?
廉も私を置いて行っちゃうの?
涙が溢れて止まらなかった。
「凛?どうした?」
「廉、いなくなっちゃうの?」
廉は私を引き寄せて抱きしめた。
「凛、お前、悲しんでくれてるのか?」
廉は私を見つめ、キスをした。
今までずっと側に居て支えてくれていたのに、廉とのキスは久しぶりだった。
「ずっとこうしたかった、凛、愛してるよ」
それから廉の体調が悪化した。
廉はずっと病気のことを黙っていた。
私が好きな人を余命宣告されて少しの時間しか一緒にいられなかったから、私を愛してくれていたがあやふやな気持ちで友達関係を続けていたに違いない。
それからまもなく、廉はこの世を去った。
あっという間だった。
私には誰も居なくなった。
そして祐くんの二十歳の誕生日
颯からと指輪を祐くんから受け取った。
祐くんは、ずっと凛を支えていくよと言ってくれた。
廉、いつも私を見守り、つまづきそうになると手を差し伸べてくれた。
現在私は五十四歳になる。
廉と知り合って二十四年間もの間、支えてくれたそうじゃない永遠の愛で私だけを愛してくれた。
ありがとう、廉。
END