口唇口蓋裂関連のブログを読むようになって、「親に感謝する」という人が結構いらっしゃるのだと感じました。

その方の年齢によっては受けた治療の回数や期間などが長きに渡る事も多いですし、それに伴うご両親の負担は小さいものではないと思います。

そう思うと、「感謝している」というのはごく自然な感情なのだなと理解できます。

自分の場合はどうなのだろう。

これまで書いてきたように、育った家では私は「普通の子」であり、口唇口蓋裂の事を話すことはありませんでした。
だから学校でいじめられていた時も、何故いじめられているのかは言う事は出来ませんでした。親も聞いてくることもありませんでした。

★親が悪いわけじゃないと思ってたから
★言っても(私の親の場合は)「負けるな」としか言わないだろうと思っていたから。
★私の手術や歯列矯正にお金がかかると言われていたから、心配させてはいけないと思っていたから
★私よりもっと大変な人がいる、と言われていたから。

こんな気持ちが入り混じっていたように思います。

結婚を、口唇口蓋裂を理由に夫の親から反対された時は流石に悲しくて、自分の父に「口唇口蓋裂が理由で反対された」とポロリと言ってみました。

父は一言、「お前が社会でどう見られているか、わかったろ?」と言ったのでした。

…いやいや、それはわかっていたよ。だって今まで色々あったのだもの。お父さんには言わなかったけどね…。子供の頃は、周りも子供だから、色々言われるのも仕方ないと思ってきた。でも結婚を考えるような大人になっても口唇口蓋裂であることが影響してくることが悲しいんだよ…

みたいなことが言いたかったのだけど、何しろ親と自分の事を話す機会はほとんどなかったので😔
今でこそ言葉にできるのだけど、
当時はただ理解してもらえず悲しい…と思ってました。

 生まれてきて、不幸なだけの人生ではなかったので、生んで育ててくれた事に感謝している。
半世紀も前、情報もなく偏見ももっと強かったであろう中で、育てるのは大変だったろうな。
それはわかっている。
 
 でも、親も大変だったのだから、本当の気持ちを言ったり、その気持に沿ってもらうことは、望み過ぎなのだろうか?
 なんかそれって辛いな…みたいに思ってました。

何度か書きましたが、親と口唇口蓋裂について話せることは大切ですね…。
あれからまた何十年…口唇口蓋裂については、遠い感じの私と親との距離…。