奥木曽湖をあとにした我々は、水木沢に向いました。
木祖村というと、薮原から山に向ったところ、という大変ざっくりしたイメージがありますが、奥木曽湖と水木沢では全然方向が違います。
ここで復習しましょう。
薮原から木曽川に沿って遡ると、小木曽地籍の入口で木曽川は2つに分かれます。
向って右側が味噌川、左側が笹川です。
この合流地点から木曽川は始まるのです。
前回、訪れたのは味噌川にダムを建設してできたダム湖、「奥木曽湖」でした。
続いて訪れるのは、笹川水系の「水木沢天然林」です。
場所はこちら 。
小木曽の一番奥の集落「細島」の先で左に入ります。
水木沢は、笹川に注ぐ2.5kmの支流。
平成20年「平成の名水百選」に選定されており、「原始の森」や「太古の森」が整備され、樹齢550年と言われる大サワラ、巨大ヒノキやブナ、トチノキ等針葉樹と広葉樹が混交して生育している貴重な森林です。
さすがにシーズンオフの水木沢、この日はひと気がなく、まさに「天然林」といった風情。
管理棟にはクマに注意するよう、警告文が貼られています。
我々は、管理棟に寄り、熊よけの鈴を借りました。
うーん…
遊歩道を進むも、紅葉という感じではありませんね。
地図で見る限りは奥木曽湖と同じくらいの標高でしょうから、無理もないところです。
黄色い木はたまーにありますが、赤い木はありません。
このまま進んでいくと、やがて「床並の滝」や「床並の平垂」に行き着くのですが、私は連日の卓球の練習がたたり、ややグロッキーです。
元気な人たち、行ってちょうだい。
【過去ログ】 平成の名水百選「木曽川源流の里 水木沢」 トレッキング
しばらくすると、元気な人たちが帰ってきました。
「クマだ」
え? おいおい、クマに遭ったのか?
「遠くで泣き声がするんだよ。ぐおーって」
「私も聴きました。」
人生とは、どこで何が起きるかわからないものです。
足腰が弱いばかりに、私だけクマに襲われずにすんだ、かも知れませんし、私だけ喰われてしまったかも知れません。
どうやら、この季節に天然林を散策するのは、あまり賢明な行為ではなさそうです。
水木沢には夏に来ましょう!
失意のどん底にありながらも往生際の悪い我々は、福島への帰り道、「巴が淵」を目指すことになりました。(続く)(momo)