師走に入って十日余りが過ぎたこの日。暦の上だけでなく体感的にも十分冬を感じさせる寒さをものともせず、我ら探検隊は探検活動に勤しむのでした。活動当日、寸前までの予報は雨。家を出るときも雨模様で、今までの幾多の探検を常に絶好の探検日和の中で導いてきた隊長の神通力(?)もこれまでかと、氷雨降る中での探検を想像して暗澹たる気持ちになる一行でしたが、探検に出動するころには雨も上がり、雲間から日も差しはじめました。正に天佑神助です。


 この日は、まず、上松町の滑川を遡上しました。目指すは、滑川砂防公園。滑川についてはmuraさんのブログに譲りますが、砂防ダムのほとりに設けられている公園は結構な広さです。コンクリート造りの砂防ダムや遥かに望む御嶽山の威容が目を惹くほかは、これといって見るべきものもないような殺風景な場所に不釣合いなほど広い駐車場。それもそのはず、ここは木曽駒ヶ岳への登山道の入口とのこと。上松から木曽駒への登山道には、ここを足掛かりに敬神の滝を経て頂上に達するコースのほかに2つコースがあるそうですが、敬神の滝を通るこのコースがもっともメジャーだとか。この「敬神の滝」にも興味をそそられますが、山道を歩いて30分もかかるとのことで、他の隊員から却下されそうです。

木曽路名水探検隊のブログ-滑川砂防ダム  木曽路名水探検隊のブログ-滑川砂防公園からの眺望


 公園に行く途中、道路が大きく左にカーブする辺りで、右手に何体もの石碑やのぼり旗が立ち並ぶ場所がありました。のぼり旗には「心明霊神」と書かれ、石碑にも「○○霊神」と彫られています。幾体も並ぶ石碑が目を惹きますが、ここは駒ヶ岳信仰の「犬山乾山講社」という講(信者の集団)の霊場だとか。駒ヶ岳2合目に当たり、先ほどの登山道の本来の入口がここだそうです。

木曽路名水探検隊のブログ-心明霊神霊場


 隊員の探究心をくすぐる石碑群でしたが、日も短く、この日は探検予定がつまっていたため、取りあえず先を急ぐことにしました。来た道を下っていくと、「駒ヶ岳神社」の標柱が目に飛び込んできます。神社と言えば手水。ひょとして名水があるのでは‥‥高まる隊員たちの期待を察して、隊長が予定を変更。急きょ探検箇所に追加されることになりました。しかし、標柱の指し示す方角には山道が。ここで探検断念かと思いきや、名水を求めてやまない一行は、とにかく車で行けるところまで行ってみようと、神社があると思しき辺りを遠巻きにしながら車を走らせます。



 程なく、路傍に「駒ヶ岳神社」と書かれた別の標柱が。この先にきっと目指す神社があるはずだと勇む一行の眼前に1軒の民家が現われ、道はそこで行き止まり。「探検もここまでか」と一行に落胆が走りましたが、折角来たことでもあり、取りあえず隊長がその家の人に様子を尋ねることに。すると、話を終えて戻ってきた隊長の表情に明るさが。民家の脇の道が神社に続いていて、歩いて10分ほどで神社まで行けるとのこと。早速、このお宅の敷地に車を止めさせていただき、勇んで目的地へと向かう一行でした。(続く)(aki
木曽路名水探検隊のブログ-駒ヶ岳神社参道1