QBSソーシャルビジネスミーティング
土曜日は九州大学ビジネススクール学生会主催のソーシャルビジネスミーティング
に参加しました。
ゲストはミュージックセキュリティーの猪尾取締役とえこふぁーむの中村専務。
ミュージックセキュリティーは匿名組合の仕組みを使って、音楽ファンドやレストランファンド
酒蔵ファンドなどを手掛けています。最近では東北地方の中小企業の復興を支援する
被災地応援ファンドなどが話題になっています。
東京にいたときに小松社長には何度かお会いしていたり、社外取締役の方をよく知っていたり
しますが、金融の力で世の中をよくしようという若い優秀な人たちの集まりといった会社です。
えこふぁーむさんはそのファンドの仕組みを使って資金を調達しています。
一口3万円で1000万円を集めて、放牧豚の事業資金にあてています。資金の募集は
インターネットを通じて募集しています。
【募集成功の要因】 ※私の独断で
・出資者が「共感」できる事業を選別していて、資金使途が明確
・応援しようという気持ちがある投資家を集めたい事業者がファンドの趣旨に共感している
・資金調達総額も小規模(10百万~50百万)で一口の金額も小口(1万円から)
・経済的リターン以外のコミュニティーリターン(商品がとどく、名前が刻まれる、など)を重視
・匿名組合は株式に比べて、仲介する手続きが簡単
【課題として】 ※こちらも私の独断
・調達金額が小規模だと収益性が確保できない
・調達金額を増やそうとすれば、経済的なリターンも考える必要がでてくる
・流動性がない(途中解約、売買ができない)
・透明性が低い(株式であれば監査がついて継続開示されないと仲介者が取り扱えない)
グリーンシートは基本的には同じ理念でやってきたつもりですが、資金の出し手の共感が
得られない企業が増えていったり、経済的なリターンのみを求める投資家が増えてしまったり
証券市場全体の不祥事の影響もあって、監査や継続開示の規制が厳しくなっていったりして
結局うまくいかなくなってしまいました。
ミュージックセキュリティーがやっていることと、グリーンシートがやってきたことの中間で
投資資金を集めることができるスキームが考えられればいいのになと思っています。
「ソーシャルストックマーケット」
はそのような理想を求めた構想ですが、いまのところ構想に留まっています。
ソーシャルビジネスの資金調達の事例としては以下のようなものもあります。
市民風力発電
※風力発電機を市民からの匿名組合出資で建設
大地を守る会
※有機野菜などの会員制宅配事業、会員を中心に1万人の株主が出資
譲渡制限付き店頭取扱有価証券制度と種類株式を活用して、共感が得られる事業のみに
限定した「ソーシャルストックマーケット」を構築できればいいんじゃないかと思っています。
(今の説明で分かった方は相当なマニアです)