夕方4時頃、
我が家に帰り
玄関のドアを開けると
奥のリビングで父がいるのが見えた。


何も変わらぬ光景だ。


そのまま二階の自分の部屋に向かう。
階段を一段、一段のぼっていくにつれて嫌な空気を体で感じる。



薄暗い どんより した空気。



階段を上りきり、
右側にある自分の部屋のドアが開いている。




ちらっと見えた部屋の中には
ガラクタや物が山積みにされている。
ドア付近にだけ山のように。



「え?」




当然驚いたし、訳がわからない。






左側の弟の部屋に誰かいるようだ。



ドアを開けると、
二段ベッドの下の段で弟がうつ伏せで漫画を読んでいる。




その横の椅子に母親が座っている。





暗い。紺色の部屋。
外の外灯だけの明るさ。





変な重い空気を感じつつ、
私の部屋がどうしてあんな風に荒れているのか、という事を聞く。







「ねぇ、あのさぁ。」





と、喋り出した時
異変に気付く。

暗いのであまりわからないが








カチカチカチカチ


カチカチ




カチ…………
















カチャカチャカチャカチャカチャッ




カチカチ……カチカチ……





何の音だろう。
そう思い母親の顔を近くで見ると


確かに母親だ。
けれど明らかに母親の顔ではない。



目を大きく見開いていて
黒目がとても大きい
瞬きもせず
真顔で首を傾げている





そして、両手に持っているのは編み棒。




何も編んでいない。



まず母親は、編物の趣味はない。






何も編んでいないのに指で棒を動かしている。それによって机に棒が当たり、カチカチ鳴っていたのだ。







「お母さん?どうしたの?ねぇ!」







私の声に反応はなく、
表情も変えずひたすらにすごい早さで編み続ける。







カチカチカチカチ……



何も気にせず暗い中、外の明るさで漫画を読んでいる弟に、


「ねぇ、これどうしたの?何があったの?」






私は、とりあえず混乱している。




そんな私に弟はいつも通りのテンションで、



「お母さんね、"おばあちゃんになりたい病"になっちゃったんだよ。」







?????





どんな病気なのか
どんな害があるのか
治る病気なのか


いくつもの疑問が浮き上がる。







弟は、また漫画を読み始める。








「お母さん!ねぇ、大丈夫!?どうしたの?何があったの?ねぇ!」






相変わらず無反応だ。



とりあえず部屋の様子を確認しようと背を向けると




















母親に突然倒された








あまりに突然で固まる



その直後、必死に私を踏み潰そうとしてくる。



私はそれを腕で拒む。




「えっなに?やめ、ちょっと!!!」







編み棒で私の頭を刺そうとつついてくる。






表情も変えずに襲いかかってくる母親と、この状況に私はショックを受けた。





刺そうとする腕を掴み、力ずくで椅子に戻した。そうすると、また編み物を始める。






息を切らし
心臓の鼓動が早まる。









どうしようもない悲しみと絶望のまま、荒れた部屋に何の疑問も持たなく当然のように入り、ドアを閉める。





部屋に入りふと感じた


(あ、まだ17時か。明るいなぁ。夜ご飯あるのかな。)
























っていう夢を前に見てものすごく怖かった。



何が怖いって、帰ってきたのは夕方でまだ明るいのにおとうとの部屋は真っ暗。そのあと自分の部屋に戻った時は明るいってとこ。

大体怖い夢は母親に襲われる内容。

この夢は鮮明に覚えてるなぁ。



気温も、靴下はいた足に踏まれる感触と、空気感も、匂いもリアルだった。



頑張って展開つくればお話になりそうだな。





っていう夢を昔に見たのを思い出して書いてみました。


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