ある夏祭りの日
金魚すくいのお店の前で男の子が
『ねぇ、お母さん
ぼく金魚すくいしたい!』
『金魚すくいして、そのすくった金魚はちゃんと自分でお世話できるの?
できるんだったら金魚すくいしてもいいわよ♪』とお母さんは言いました
『ぼく、ちゃんとお世話する!』と男の子が言うと、お母さんはお店の人にお金を払いました
ポイをお店の人に貰って手にした男の子は、泳いでる金魚を必死にポイで追いました
『あっ!?だめだぁ
なかなかすくえない‥
それに紙が少し破れてきた』
男の子は、そう言いながら
『今度こそ!』と思ってすくうと
やっと、赤い金魚を一匹すくうことができました
男の子は、家に持って帰った金魚にミクと名前を付けました
毎日、男の子はミクの
お世話をしました
ある日のことです
男の子が遊びに行っている間に、いつも外をうろうろしている野良猫の
ノラがやって来て
ミクの入ってる金魚鉢にノラが手をかけ、横に倒しました
男の子が帰って来た時は
金魚鉢に入っていたミクはどこにもいませんでした
男の子はミクを探し回りました
『まさかノラに…。』
そう思った男の子は泣きながらミクを必死に探しました。
つづく