まだ私が20代前半の頃


黄色いリボンの付いた
カンカン帽を被って



白い手袋をして



笑顔で道行く人に声をかけながら手を振った



初めての経験



アナウンサーのような声をしてるねと近所の人に言われた



あの夏の日の思い出



もう二度と経験することはないだろう



だけど未だに人に



アナウンサーのような声をしてるねと言われる



年を取ってもそう言われるのがなんだかとても嬉しい



黄色いリボンのカンカン帽を被ったあの日の思い出は



いつまでも私の心の中に残ってる