二人の乗ったボートは



やっと水面に映った月の 光りのところまでやって来た



そして二人は寄り添い



彼女はカノンの曲をまだ全部弾いたことはないけれど



いつか全部弾けるようになりたいと



再び目を閉じて



カノンを弾いている自分の姿を音と共に映し出し


そしてそっと目を開けて


夜空の綺麗な月と



キラキラと輝く星を



彼と一緒に



いつまでも見つめていた