結婚して初めてのお盆休み。

夫の実家は、お盆休みにはきょうだい、その家族が実家に全員集合するという行事があります。
総勢12人が同じ家に三泊ほどするのです。

ほぼしゃべったこともない夫のきょうだいに、その配偶者に子どもたち。
家父長制と男尊女卑バリバリの夫の父母。

私はかなり緊張していました。

私はもともと団体行動が得意なほうではありません。
それに加えて家父長制の家の舅、姑、小姑、その子どもたちがいる中の、

彼らが最も軽視するヨメという立場で3泊です。


人が多いので、部屋は10畳ほどの広間を2家族で使用します。
一応ふすまで仕切れますが、ほぼプライバシーはありません。
隠れられる場所も、一人になれる場所もありません。

3泊、ずーっと気を遣いっぱなしで過ごしました。

「ヨメですから」台所仕事をメーンでやらなければならないと言われています。

しかし、夫のきょうだいたちも、たまの帰省だからと義母を手伝いたい。
私は台所を離れているわけにはいかないのですが、やることがないのです。
人の家の台所のことは分かりませんし、結婚したてで義母のしてほしいこと、
料理のことなど分かるはずもなく。

ただ、台所に突っ立っているだけ。舅は私の動きを監視しているかのようにも思えます。

一息つきたくても、つく場所はありません。

夫のきょうだいたちは久しぶりに会って楽しげに談笑しています。

ぽつんと台所に立ち、片付けだけはなんとか頑張りました。

そして大人数で海やプールなどに移動。

海に行けば、屋根だけのテントでタオルで入り口を隠して着替えろと言われました。
夫のきょうだいたち、家族の前で水着になるのも、本当に本当にいやでした。

そして夜は山ほどの食事が出ました。
ごちそうがたらふく食べられていいじゃない…と思われるかもしれません。
しかし夫の実家は、本当に食べても食べても食べ物が出て来て、
お酒もあまり飲まないのに、飲め、飲めと言われて、毎日苦しくてたまりませんでした。

さらに便秘で苦しく、なんだか胃の調子も悪くなっていました。

そうした3泊が終わり、帰京して数日、私は胸焼けと胃痛を感じていました。

そして数日後。

胃痛が激痛に変わってきました。何を食べても胃がパンパンな感じで
吐いてしまいます。痛くて痛くて、うずくまっていました。

それまで胃がおかしくなったことなどなかったので、
何かにあたったのだろう、しばらくじっとしていれば治まるだろうと思っていました。

でも一向に胃痛は治まらないどころか、ひどくなるばかりです。

とうとう近所の病院に行きましたが、週末に胃カメラを飲みましょうと言われ、
特に薬も出されませんでした。

この状態であと5日間。仕事なんて、無理じゃないだろうか。
絶望的な気分で胃痛を抱えたままその日の夜を過ごしましたが、翌早朝、
転げ回るような痛みに襲われました。

夫に付き添われ、救急病院に駆け込みました。