一攫千金とは、ひとつかみで大金を手に入れること。また、苦労せずして大きな利益を得ることだ。宝くじは、その最たる例だと思う。


約1ヶ月ほど前に年末ジャンボ発売開始のニュースがあった。画面には、都内の高額当選で有名な宝くじ売り場。店の前には例年通り長い行列ができていた。


今年からインターネットからの購入が可能になったらしい。ネットでも買えるのに、なぜ並ぶのか。列に並ぶおじいちゃんがインタビューでその疑問に答えていた。僕はてっきり「いや、わしらの世代は機械に弱くてね」、そんな感じの回答だろうと思っていた。


おじいちゃんは熱く語る。「こういうのはな、実際に足を運んでちゃんと行列に並んで苦労と努力を重ねたものに運がおりてくるんだよ」。おじいちゃんの目はキラッキラに光っていた。


うーん。宝くじとは、労せずして大金を手に入れる数少ないチャンスじゃないのかおじいちゃん。僕の目には、このおじいちゃんの言動は矛盾して見えた。一攫千金の宝くじに並ぶ、プロセス重視のおじいちゃん。


こんなこと言ってたら、夢がないなあ、つまらないなあと怒られるだろう。自分でもそう思う。もしかしたら、おじいちゃんは地道に努力して集めたお金で数千枚の宝くじを買っているのかもしれない。そうじゃなくても、夢に目を輝かせて運を少しでも近づけようとする姿はかっこいいではないか、とも思う。


それでも、一口分の宝くじは全ての人に平等である。300円で一口だけ買った人にも、何百枚単位で大量購入した人にも、善人でも、悪人でも。そして、行列に並び努力するおじいちゃんにも、こたつに入りながらスマホでクリックして購入した人にも。それでこそ夢がある。


そして、それ以外の領域では、おじいちゃんの言う通りにどうか努力や苦労が最終的に良い結果として実を結ぶ世界であってほしいなと切に願う年末でした。