はい、東洋大学で海野敏先生の講座に参加させていただきました。

昨年はなかったなあと思いきや、1年間はロンドンで研究活動をされていたとのこと。

限られた時間でより新しいダンスのスタイル、バレエの伝統などを垣間見ることができ充実の講座でした。



以下、メモといただいた資料をくっつけて復習のために記録しておきます。
聴き間違い、メモ間違い、理解違い等もあるかもしれませんがそこは私的ノートってことでスルーPlease♪また拙い記憶を元に講義の映像を探しましたが、関連どころか連想になっちゃうものもあるかもしれません。

海野 敏 (うみの びん)
1961年、東京生まれ、東京大学卒
2004年より東洋大学社会学部メディアコミュニケーション学科教授。
専門は情報学。研究テーマは、
1.三次元モーションデータを用いたダンス振付ソフトウェアの開発、
2.新しいメディア環境における身体性とアイデンティティの変容、
3.情報化社会における図書・図書館の意義と昨日など。
さらに関連する活動として、舞踊評論家の肩書で、雑誌・新聞等にバレエおよび現代舞踊の批評や解説記事を執筆している。


ロンドンのダンスおよびパフォーミングアートの最新事情
~2014年度 長期海外研究報告~


第Ⅰ部 ロンドンの劇場街
・劇場、美術館、博物館が直径1.5m内に集中
「ウエスト・エンド」と呼ばれる劇場街
オペラハウス=2館、劇場=40館
東京都心の半径1・5kmとスライドで比較して圧倒的な数を感じました。青山円形劇場はなくなり、今秋は五反田ゆうぽうとがなくなりますし、サンプラザ中野も改修工事に入るのでますます都内での観劇チャンスは減ってきますねガーン

第Ⅱ部 ロンドンのバレエ公演

1.英国の五つのバレエ団
ロンドン:①ロイヤルバレエ、②イングリッシュ・ナショナル・バレエ、地方都市:③バーミンガム・ロイヤル・バレエ、④ノーザン・バレエ(リーズ)、⑤スコティッシュ・バレエ(グラスゴー)

2.ロイヤル・バレエ
・特徴
本拠地:ロイヤル・オペラハウス
メイン(約2300)、リンバリー(約400席)
小劇場のこと‘リンバリー’って呼ぶのですね目
演劇的で重厚なバレエ作品
F.アシュトンとK.マクミランの振り付け作品
コンテンポラリーダンスを積極的に委嘱

・ダンサー:約100人
プリンシパル22人、ファーストソリスト13人(内4人)
N.オシポワ、L.カスバートソン、C.アコスタ、E.ワトソン、S.マクレー、高田茜、平野亮一、F.ヘイワードなど

・2014年度のハイライト
(a)新作『冬物語」、C.ウィールドン(舞踊語彙が豊富)
(b)第1次世界大戦開戦百周年を記念した企画
「不安の時代」初演、L.スカーレット(まだ20代!新しいがクラシックの動きを大切にする)
英国では第2次より第1次の方が死亡者が多く(88万8千人)惨状の歴史として深く刻まれている。一方、日本では第1次、400人に対し第2次では200万人。
(c)特別ガラ(2015年2月25日)
映像①②:「冬物語」より
映像③:「不安の時代」リハーサル

映像④:「不思議の国のアリス」PV

3.イングリッシュ・ナショナル・バレエ
・特徴
本拠地:ロンドン・コロシアム劇場
約2400席。ROHから徒歩5分
なじみやすい古典バレエ作品
タマラ・ロホ芸術監督(2012~)の挑戦
原作が英国人バイロンによる物語にも関わらず上演されたことのなかった海賊やフォーサイス、ノイマイヤーなどを取り入れる。

・ダンサー:約70人
リードプリンシパル5人、プリンシパル4人
T.ロホ、A.コジョカル、高橋絵里奈
ヨナ・アコスタ(C・アコスタの甥)、加瀬栞など

・2014年のハイライト
(d)第1次世界大戦開戦百周年を記念した企画
「忘るるなかれ」(Lest We Forget)
L.スカーレット、A.カーン(バングラディシュ系)、R.マリファント(マーシャル・アーツ、太極拳の動きを取入れた先進的振付家)

(e)サドラーズ・ウェルズと提携、ロホの営業力が計り知れる
「モダン・マスターズ」(Modern Masters)
映像⑤:「忘るるなかれ」PV

映像⑥:「小さな死」イリ・キリアン振付

4.その他のバレエ団
・地方バレエ団
バーミンガム・ロイヤル・バレエ
ダンサー約60人。P.ライトとD.ビントリー、佐久間奈緒、平田桃子、ツアオー・チー、厚地康雄
ノーザン・バレエ
ダンサー約40人。D.ニクソンの振付作品
スコティッシュ・バレエ
ダンサー約30人。P.ダレル創設

(f)第1次世界大戦開戦百周年を記念した企画
映像⑦:BRB「戦争の影」(Shadows of War)PV
映像⑧:NB『グレート・ギャツビー」PV

・在英バレエ団:マリインスキーは連日満席。特に英国ではあまり評価の高くなかったイギリス人ダンサーX.がマリインスキーで頭角を現しパリッシュの凱旋公演ともなった。
 スウェーデンロイヤル・バレエはブノワ賞を穫った木田真理子が注目された。

第Ⅲ部 ロンドンのコンテンポラリーダンス

5サドラーズ・ウェルズ
・芸術監督:アリステア・スポルディング
3つの劇場:サドラーズ・ウェルズ劇場(約1600席)、リリアン・ベイリス劇場(約200席)ピーコック劇場(約1000席)

・提携アーチスト16、提携カンパニー1
ダンサー:シルヴィ・ギエム
振付家(姓の五十音順):C.ウィールドン、アクラム・カーン、ホフェッシュ・シェクター、シディ・ラルビ・シェルカウイ、クリスタル・パイト、ケイト・プリンス、マシュー・ボーン、ウェイン・マクレガー(映像、コンピュータを駆使する)、ラッセル・マリファント
舞踊団:バレエボーイズ、ENB
映像⑨:提携アーチストPV

・特徴
コンテンポラリーダンスの牙城
多彩な企画:ヒップホップ、タンゴ、バレエ

・2014年のハイライト
(a)「蠅の王」M.ボーン脚色・演出
(b)「トーマス・アデス」作曲家
 振付:W.マクレガー、C.アーミテージ、アレクサンダー・ホイットレー、C.パイト
(c)「アソシエイツ」(Associates)
振付:C.パイト、H.シェクター、K.プリンス
(d)バレエボーイズ「若者たち」イバン・ペレス
第1次世界大戦を舞台にした作品
(e)シルヴィ・ギエムの公演

映像⑩:「蠅の王」PV、Mボーン



映像⑪:「シザーハンズ」PV、Mボーン

映像⑫:バレエボーイズPV 若者たち
映像⑬⑭:ギエムとカーン、マリファント

6.コンテンポラリーダンスの動向
・カンパニー
ランバート:マーク・ボールドウィン
ニュー・アドヴェンチャーズ:M.ボーン
ランダムダンス:W.マグレガー
ズーネイション:K.プリンス

映像⑮:ズーネイション「いかれ帽子屋のお茶会」K.プリンス、リンバリー・スタジオ劇場

・ダンスのフェスティバル
ダンス・アンブレラ:毎秋、多数の劇場で開催
レゾルーション!:ザ・プレイス劇場(約200席)

・ダンスの賞
英国ナショナル・アワード(1月)
オシポワ、A.カーン、F.ヘイワード、X.パリッシュ
ニュー・アドヴェンチャーズ振付家賞
ジョン・ロス(’13)、
ジェイムズ・カズンズ(’11)→村上春樹著「ノルウェーの森」を題材

映像⑯:ジョン・ロス・ダンス


第Ⅳ部 アートの街ロンドン
・パフォーミングアート
演劇、ミュージカル(文楽の影響を思わせる
戦火の馬、ロアルド・ダールのMatildaに注目)、ダンス、コンサート、大道芸、クリエイティブ産業の一角

・メディア
新聞・雑誌:舞台評の数と多様性
BBC TV:ダーシー・バッセルの露出
イヴニングスタンダード紙「ロンドンで最も影響力のある人物1000人」ダンス部門11人
T.ロホ、K.オヘア、W.マグレガー、A.スポルディング、N.オシポワ、C.ウィールドン、M.ボーン、E.ワトソン、E.グラッドストン、M.ボールドウィン、C.ミラー

•建築計画
ロイヤル・オペラハウス改装計画
オリンピコポリス・オリンピック会場跡地

・東京とロンドンの比較
東京:外来公演多、民間、劇場減、マチネ化
ロンドン:集中、観光客、教育制度、公的支援

おわり:質疑応答
質問表を提出して、その中から先生が時間のゆるす限り答えて応えてくださいました。
Qコンテンポラリーダンスとクラシックダンスの境目は?
Q先生自身はダンスをされるのですか?→しません
Q身体能力の高いナタリア・オシポワですが、演劇性の高いロイヤルには合わないと思います。何故、ロシアに残らなかったのでしょう?→合わないとは思いません。確かに今までのロイヤルとは違うタイプでしょう。でもロイヤルは異質なものを取り入れモノにしていくのが得意なんです。実際にロイヤルでも人気があってチケットも良く売れています。(←実は私が書いた質問・爆!)
などなど

参考文献
DANCE MAGAZINE (ダンスマガジン) 2015年 04 月号 特別企画 英国バレエの世界/新書館

¥1,500
Amazon.co.jp

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いやあ、ただ1時間以上電車に乗ってまで聴講する価値あり過ぎな講義だとしかいえませんが
英国って改めて変態を大切にする国だと思いました。
wiredだから異なるものを興味を持つ,面白がれる、取り入れる、アレンジする
そしてサラリーマンだって普通の主婦だって心の片隅に持つ変態を刺激されるから
支持されるのでしょう。

自己満足のためにもっと動画を貼付けたいけど、自宅のWi-Fiの調子が重いのと愛しのMacBook Airがお疲れ気味なためこのへんにしておきます。気まぐれで足すかもしれません。

ではおやすみなさい☆

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