カケダシ中①女子小説家の自作小説ブログ!!!

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自作の小説をチョビチョビ作っていきます!!見ていってね^^!

Amebaでブログを始めよう!

近々、新作を出そうと思っています。


話の内容は深くは考えていませんが、設定などは考えています。。。


ファンタジー?うん、ファンタジーか、、、な?(笑)


マンガの「ジョ○と奇妙な冒険」に少し影響されましたww


ま、ご期待あれ。


次の日の朝、誕生日まで後6日。


それまでの日はまさに憂鬱そのものであった。


あの紙を見てしまってからは・・・・・。


一美を泣かせてしまって最悪な一日となったあの日、


その次の日に、嫌がらせだろうか、僕の机にたくさんの白紙が入っていた。


「誰だよ、ったく」


呟くようにして言ったあと、ゴミ箱の前で一枚ずつビリビリと破いていった。


だが、その中の一枚に何か文章が書かれているものがあった。


「お前の誕生日に弟を。その二日後に姉を。この姉弟を殺す。助けられるかな?」


最初はよく理解できなかった。


なぜなら僕には弟も姉も居ない。居るのはうっとうしい妹だけだ。


では、僕以外の誰かなのことだろう。まあ、こんな手紙嫌がらせだろう。気にしないでおこう。


そう思って、下に書かれていた追伸も読まずにビリビリと破り捨てた。


だが、その追伸を読まなかったばかりに、一人の少女が犠牲となることになるとは・・・。


二時間目の放課だっただろうか、前の席の一美が一言、


「ちょっといってくるね。遅れたら先生に言っといて」


場所は教えなかったが、おそらくトイレだろう。


「ああ、分かった」


僕が返事をしたときには、もう一美はそこに居なかった。


そして、三時間目が始まってしまった。先生が来たので、


「石田さん、トイレに行ったので遅れるそうです」


と、伝えておいた。


だが、三時間目が中盤に入っても一美は帰って来なかった。


何に対しても純粋であった一美に、授業をサボるなんて考えられなかった。


そして、とうとう三時間目が終わってしまった。


三時間目の後の放課、クラスの女子がトイレに行くと、一美は居なかったそうだ。


「何やってんだ、あいつ」


クラス委員であった僕は次の音楽の授業のために、音楽室のカギを借りて、


スキップしながら音楽室へ向かった。


音楽室に着いた僕は目の前の光景に思わず腰を抜かしてしまった。


そこには、音楽室の扉の窓ガラスに、血を流しながら頭から突っ込んでいる一美がいた。


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ~!?だ、だ、誰か!!!!」


そう叫んだ僕の声を聞いた、近くの先生が走って来た。


そして、今自分が見ている光景を見た先生は口を開けて膝から崩れ落ちていった。


そんな頼りない先生に、


「せ、先生!!き、きゅ、救急車!!!」


と、肩を揺すって言った。


先生はポケットから携帯電話を取り出し、震える手で「119」のボタンを押した。


ひとまず授業は中止となり、教室に帰った僕の机の上には、


朝ビリビリに破り捨てた手紙が、テープで直して置いてあった。


僕は、おそらく追伸を見ずに破り捨てた僕に犯人がもう一度見ろと言っているように思えた。


僕は恐る恐る文を読んだ。


「お前の誕生日に弟を。その二日後に姉を。この姉弟を殺す。助けられるかな?

追伸①:ウソだと思うなら今日事件を起こす。

お前の前にいる石田一美を三時間目の放課、音楽室の扉の窓ガラスに突っ込んでやる。

追伸②:姉弟の名前のヒントは、『不幸を呼ぶW・S』だ。」


最悪だ。やはり追伸を読んでいれば一美は助かったんだ。


一美はあんな辛い思いをしないですんだのに・・・。


だが、犯人はヒントをくれた。今度こそ犠牲は出さない。


僕が犯人を必ず止めてやる。

その時・・・違う視点から見れば気づけたはずなのに・・・。

君は・・・

すぐ近くにいたんだね・・・。

2009年。11月13日。僕の12回目の誕生日。

今年のプレゼントは何か分かっていた。パソコンのUSBメモリである。

なぜ分かっていたかは、ちょうど一週間前の夕食の時間だった。

そのとき5歳の妹がつい口走ってしまったのだ。

「お兄ちゃん・・・もうすぐ誕生日だよね」ニヤニヤしながら隣で話しかけてくると、
母が妹に目で合図を送っている。

何か隠している。そう思った僕は妹に耳打ちした。

「何隠してんだ。言ってみろ。」

「あのね・・・内緒ね・・・お兄ちゃんのね・・・ウフッ」

「早く言えよ」

「お兄ちゃんの・・・誕生日プレゼントはね・・・」

気になっていた。誕生日まであと一週間。この期間が一番プレゼントが妙に気になるのだ。

「何なんだ。教えろよ」

「ん・・・ん~とね・・・この前デパート行ったでしょ?そのときにね・・・」

内容を聞いた後、不思議とがっかりした。

確かに前に母に欲しいと行った事があるが、今本当に欲しいのは好きなアーティストのCDであった。

なぜ欲しいのか?決まってる。学校の話題はいつもその人気アーティストの話ばかりだ。

その話に遅れているのは僕一人だけであった。

ある日の朝の読書タイム。前にいた友達の一人である石田一美(ひとみ)に話しかけられた。

「永木(ながき)君って、タイメク知ってる?」

「一美さぁ、俺がテレビみないこと知ってるだろう?何でそんなこと聞くんだよ」

そうだ。僕はテレビを見ない。

いや。見れないんだ。うちは生まれつき貧乏で、電球すら買える余裕も無い。

そう知っててみんな僕にテレビの話をフるんだ。迷惑にも程がある。

「そうだけどさ、タイメクぐらい知ってなよ」

「タイメク?」

タイメク。太鼓メイク、という奇妙な名前の人気バンドであった。

そのバンドのメンバーはみんな太鼓のようなメイクをしているからだそうだ。

最初は駅前の路上ライブで演奏していたらしいが、友人の紹介でテレビに出演できたらしい。

今では世界中がそのタイメクを注目していた。

だが、もちろんテレビはうちに無いのでそんなことは全く知らなかった。

「何だよ。変な名前」

「あ、永木君タイメクを馬鹿にするんだ。ひどい」

涙もろい一美は目にスポイトでもあるようにポタポタと涙を一滴二滴と涙を流した。

「ちょっ、泣くなよ。悪かったよ。ゴメン。分かったから泣くなって」

一美は泣くとめんどうなことになる。クラス中が一瞬で敵と化すのだ。

すると横にいた玉木功太(こうた)が、

「あ、永木が一美ちゃん泣かせてるぜ」

と、自慢するように言った。

あ~あ、最悪だ。心の中でそう言うように顔を伏せた。

こうでもしないと、クラスのみんなが僕を睨むんだ。

その日は本当に最悪であった。先生にも呼ばれ、一美のことで叱られてしまった。

こんなことがあったので、その日の夜泣くようにして母に頼んだが、

母は一言、

「うん」

と言い、食事をせっせと作っていた。

もうこれ以上言ってもダメだ。こうなったら父に頼むしかない。そう思った時には、父の横に立っていた。

「お父さん。ちょっと話があるんんだけど・・・いい?」

「ちょっとな。ちょっとならいいぞ」

「あの、タイメクっていうバンドのCDが欲しいんだけど、買ってくれないかな・・・?」

さすがに語尾が震えた。家には電球を買うお金もないのだ。

僕のわがままだけでCDなんか買えるはずがない。

そうすると父は、

「うちにはCDプレーヤーはないぞ。CDを買ってもそれが無ければ聴けないじゃないか」

その通りだ。でもCDだけでよかった。それを持っているだけで有名人みたいにみんなに注目されるのだ。

それを考えている僕には、プレーヤーのことを考えている父にムカついていた。

そして、

「ったくも~、お父さんは遅れてるねぇ~、どうせタイメクも知らないんでしょ」

ムカついた僕は少し父に自慢するように言って鼻で笑った。

どうやら父はキレたようだ。持っていた鉛筆を僕に投げると、僕を思いっきり叩いた。

「お父さんに向かってその口のききかたはなんだ!!!」

確かにノリでそんなことを言ったが、後になって改めて本当にバカなことをした、と実感した。

その夜は泣いて泣いて枕がビショビショになるくらい泣いて。寝た。