パーティー当日。
本物の魔女をキョーコは見つけた気がした。
「私はジュリー・ウッズ…魔女と呼ばれる女。その名において貴女の人生を180度変える!」
その人物は、まるで魔法のようにメイク道具を出したテンであり、 のちにテンはキョーコの中で“ミューズ”と言うあだ名を貰うのだった。
そんなこんなでテンの渾身の作品が出来上がり、ジュリエナを呼びに寝室から出れば、彼女はうろちょろしていたため、
「…相変わらず、ジュリは待たされることが嫌いよね、本当に…。」
思わず呆れたように言うテン。
『…!テン、出来たのね!?』
呟きは恐らく聞こえなかったのだろう。ジュリエナは表情を明るくさせた。
『ええ。言われたとおり、まったく別人にしてみたけど…予想外にダイアモンドの原石だったわ。』
最初に顔を見たとき、顔のパーツが左右対称でメイクしたら変わりそうだな~とテンは思ってはいたのだが、予想外に彼女は変わる人間で、自分の才能が怖くなるくらい素晴らしい出来になった。
『まぁ!そうなの!?テンがそう言うってことは、凄く綺麗になったのね!』
彼女の言葉を聞いてジュリエナは興奮すると、
『綺麗どころじゃないわ。貴女みたいに歩く美術品になっちゃったんだから。じゃあ、早速みてちょうだい。』
テンはそんなジュリエナを寝室へと招き入れる。
『…!』
ジュリエナは一瞬、呼吸を忘れた。そのくらい本当にキョーコは綺麗すぎたからだ。
『…ほ、本当にキョーコなの…?』
ストレートのプラチナゴールドの髪に、透き通るような空の瞳。そして、極めつけに白のマーメイドドレス。
まるで月の女神がそこに現れたかのようで…ジュリエナは本当にキョーコなのか疑い、
『あ、あの…?』
疑われたキョーコはわけが分からないとでも言い出そうに首を傾げる。
『どう、ジュリ?確かに歩く美術品でしょ?』
そこに助け舟と呼べるのかは分からないが、テンがキョーコの隣に経つ。
『え…ええっ。凄いわ、テン!キョーコ、凄く綺麗よ!』
感動したジュリエナはキョーコに抱きつき、抱きつかれた彼女はビックリした声をあげ、
「あ、あの!ミスウッズ!わ、私は今どんな姿をしてるのか分からないんですけど!」
あわあわとしながら、テンに鏡を要求し、
「ああ、鏡ね!ごめんね、忘れてたわ!はい。」
彼女は鏡をキョーコに向ける。
「…!こ、これが私…?」
鏡に映ったのは月の女神で、キョーコはとても自分とは思えなくて信じられない。まるで魔法にかかったようだ。
(魔法…ミスウッズは本当に魔女だったんだわ!)
そうとしか思えないくらいの大変身にキョーコはテンをキラキラした目で見る。
「気に入ったかしら?」
「はい!凄いです!ミスウッズは本当に魔女なんですね!」
「ありがとう。そう言われるとメイクしたかいがあるわ。。」
クスクスと笑ってテンは礼をいい、ジュリエナに視線を移すと、
『ジュリ、そろそろいかないとパーティーに間に合わないわよ?』
『…あ!そうね!じゃあ、行きましょう!キョーコ!』
『あ、あの!!や、矢張りいかないとダメですか?』
『もちろんよ!』
キョーコの願いは却下され、ジュリエナにグイグイ引っ張られる。
『行ってらっしゃい~!!』
そして、テンに見送られながら、二人はパーティー会場へと向かったのだった。
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あとがき
ジュリエナさんとテンさんの口調が安定してない気がします。
気のせいだと思いたい…
それではノシ
ローズ