この小説はリクエスト小説「春が訪れるとき」の続編。
はっきり言いましょうか?
ローズ、やっぱりコッチ系が書きやすいです!
うう…では、どうぞ!
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「最上さん、これはどうかな?」
「い、良いと思います。でも…。」
「じゃあ、これにはあの靴がいいかな?」
「あ…あの!敦賀さん!!」
「なに?」
よばれて蓮は振り返ると、紅色のドレスをきたキョーコがいて、
「こ、こんな高いの頂けません!しかも何着も!靴とかまで!」
「なんで?」
「な、なんでって…。」
「…知ってる最上さん?俺、貴島くんにまで嫉妬したんだよ?」
「え!?」
「だから、今度は俺が君を着飾りたいんだ。俺が着飾った君を俺のそばに置いときたい。」
「つ、敦賀さん…あの…。」
「だから、受け取ってくれないかな?ダメ?」
顔を真っ赤にしたキョーコは、蓮が子犬のような目をすると、胸をきゅっと掴まれた気持ちになり、
「い、一着だけなら…。」
承諾してしまう。
「…!良かった!じゃあ、どれにしようか?今、着てるのがいい?それともこっちがいい?」
蓮が持っているのは、ピンクのドレス。
「ど…どっちでもいいです…。」
「じゃあ、両方買おうかな…。」
「ええ!?こ、これでいいです!今着てるのでいいです!!」
慌てて、首を振って、今着ているドレスを選ぶ。
「そっか。じゃあ、赤い靴と赤い宝石のアクセサリーがいるね。」
「…え。ええ!?」
ニコニコ嬉しそうに笑った蓮は、店員にそれらを求め出す。
(た…ただでさえ、高いのに…。)
キョーコは自分の姿を見る。この紅色のドレスはアルマンディのだ。今キョーコたちがいる、このお店もアルマンディ専門店。
そもそも、何故ドレスなどが必要なのかと言うと、もうすぐLMEが何十年迎えるとかで、パーティーが開催されるのだ。ちなみに社員もタレントも強制参加。しないと後で大変なめに遭うらしい…。
しかも、男女ペアで参加しなければいけないとか…色々面倒臭いものがある。
けれど、気になる男性や女性を誘うチャンスでもあった。
現に事務所で女性に会う度に蓮は誘われたらしい。隣にいた社さんもモテるので、彼目当てで誘う女性もいたが…。
(誘ってくれたのは、嬉しかったけど…。)
あれから…キョーコはまだ蓮の告白の返事をしていない。頭ではわかっているのだが、嫌な考えばかりしてしまう。
(私を着飾りたいなんて…。)
一方、告白した蓮は、キョーコにアプローチを仕掛けまくっていた。それはもう、おとぎ話の王子のように、キザな台詞をポンポンいいながら…。
それくらいしなければ、キョーコに伝わらないと言うのも、事実ではあるのだが…。
見てる人間は、砂を吐きまくりである。社とか…社とか…。
(嬉しいけど…。)
なんだかんだで、嫌がってないキョーコは、結局は靴もアクセサリーも一緒に買って貰ったのだった…。