『…久しぶり、クオン。』
『…ティナ…。』

リックと再会を果たした蓮は、リックに彼女がにいる部屋へと連れて行かれた。

ティナの顔をみて、すぐに蓮は怯えた表情をする。

『…ごめんなさい…。』
『…!?』
『人殺し、なんて言ってしまって…。』

ティナは謝罪する。

『で、でも!悪いのは俺で…!』
『…そうね…リックが引かれたのは、貴方のせい。』
『っ…!』
『でも、リックが重傷になったのは運転手のせいなのよ?ドロドロに飲んで、スピードが基準をはるかに超えてたの。普通のスピードなら、骨折程度だろうって、ドクターが言ってたわ。』

蓮を夢中に追いかけたリックが運悪く飲酒運転してた車に引かれた。

本当にに悪いのは、飲酒運転をしていた人間である。

『…それを聞いて、なんて事を言ってしまったんだろうって思った。でも、謝ろうと思った時には、貴方はもうアメリカにはいなかった…。』

どうやら彼女は謝罪しようと蓮を探したらしいが、既にいなかった。

『あ…そうだ。あと、誤解しないで?やりすぎだと思うけど、貴方が殴った彼らに対して同情なんて一切してないから。彼らが悪いのよ?貴方が優しいのをいい事に好き勝手に悪口を言い放題したんだから。』

ティナもリックと同じことを言う。

『…って、なワケだ。もう、罪の意識なんてするなよ?』
『…リック…。』

ポンと蓮の肩を叩いてリックはハニカみを見せる。そんな彼をみて、蓮は感動を覚えた。

『…にしても、お前伸びたな?』
『…え…?』
『身長だよ、身長!!ギリギリ俺のほうが高かったのに、今はお前のほうがデカいじゃないか。』
『そうそう、私もさっきからずっと思ってたのよ!』
『そうだよな?なぁ、どうしたら、そこまでデカくなれるんだ?飯、あまり食わねぇくせに。』

今現在、蓮はリックの身長を抜かしている。リックもかなり背の高いほうなのだが…。

『そう言われても…自然と伸びたんだけど…。』

もともと、蓮は15歳でも、平均男性と変わらないくらい身長が高かったらしいが、青年になるにつれて、もっと背が高くなったようだ。

『お前な…背の低い男に、それ言ってみろ?ぜってー怒るぞ?』

世の中には喉から手が出るくらい身長が欲しい人がいることだろう。その人から見れば、ただの自慢話である。

『そうなんだ…言わないように気をつける…。』

そして、忠告された蓮は言わないように覚えるのだった…。