夏。太陽が森を照らす。ここはキョーコの言う、コーンの森。キョーコたちはここに訪れるため、休暇をとった。もちろん、お忍びの旅行である。

「懐かしい~!」

明るく笑いながら、キョーコは川の中に足を入れる。

「キョーコ、危ないよ。」

それを蓮が止める。
「大丈夫。サンダル履いてるし。」
「そういう意味じゃなくて…。」
「大丈夫、大丈夫。きぁ!」

蓮の忠告を聞かなかったキョーコは足を滑らせて、バッシャンと尻餅をついた。
「あちゃ~、やっちゃった…。」
「だから、言ったのに…。」
「ごめんなさい…。」

思い切りに濡れて、白いワンピースが透けていた。

「……これきて。」
「…はい。」

素直にキョーコは蓮の上着を着る。大きいため、問題のところは見えなくなった。

濡れたスカートの部分を絞るキョーコを見ながら、

「そういえば、キョーコはワンピースよくきてたね。」
「ああ、そういえばそうかも。大好きだったから、ワンピ。」
「キョーコらしいね。」

懐かしんで二人は笑う。

「…キョーコに会えて良かった。」
「クオン…。」
「愛してる、キョーコ。」
「クオン…私も…私も愛してる。」

キョーコは蓮に抱きつき、二人はキスを交わす。

(まだ、貴方の過去に何があったのか教えてくれないけど…私たち、ずっと一緒だよね?こうして、また出会えたんだもの…きっともし離れても一緒になれる。きっと…。)

あの頃のように木々が二人を見守っている。

(もう怖くない。貴方を信じているから。この恋心を永遠と信じるから。だから、ずっと抱きしめてて…離さないで。愛してる、クオン…。)

あの頃、幼いときとは違う恋心。愛しくて、愛しくて、たまらない気持ち。好きでは収まらない気持ち。それと向き合ったキョーコは、彼の腕のなかで幸せそうに笑っていた…。




おわり