[うふふ~怒ってる~怒ってる~。]
怒りオーラにうっとりする。怨霊キョーコ。

「あ…あの…っ。」
じりじり、こちらに近づいてくる蓮にキョーコはまた後ろに下がろうとしたが、腰がテーブルにあたる。

(ど…どうして、怒って…あ…。)

何故彼が怒っているのか分からなかったが、

(も…もしかして聞いてた!?)

キョーコは先ほどの会話を聞かれたのかもしれないと考えた。

「…最上さん。悪いけど、さっきの聞いてたからね?」
「…っ。」

やっぱりとキョーコは思った。そして、蓮からどんな言葉が出るのか分からなくて、もっと怯えた。
「…ねぇ…最上さん…。」

だが、途端に蓮が弱々しく彼女をよび、
「…俺に会いたくないってどういうこと…?俺、何かした…?」

悲しげで切なそうな瞳で彼女を見た。

「敦賀さ…ん…?」
予想外のことに、キョーコは目を白黒させた。

「君に嫌われたら、俺は…。」
「ま、待ってください!」

蓮が何かを言う前にキョーコがそれを止めた。何となくだが、彼女はこの先をこの場で言わせてはいけないと思った。

(な、なんか…言わせたら大変なことになりそう…。)

こういうのを、なんと言うのか分からないが、とにかく、この場から離れる必要があると考えた。

「あ、あの…っ。と、とりあえず、どこか違うところに…。」
「あ…。」

キョーコに言われて、蓮は我に返ったような表情をして、

「…そうだね。俺はもう仕事は終わらせたんだけど…最上さんは…?」
「わ、私も終わりましたっ。」
「…じゃあ…俺の部屋で話そうか…?」「…はい。」

蓮の言葉にキョーコは頷く。

「蓮ー!ってキョーコちゃん!!」

そこに丁度よく、現れる社。


((タイミングが良すぎる…。))

そんな社に二人は同じことを思い、

「な、なんだよ。二人とも!」

「「いえ…。」」

声がかぶった。それを突っ込む社。

その後、三人は駐車場に移動し、社を自宅に送った後、蓮たちは沈黙の中、彼のマンションへと車は移動し始めたのである。




あとがき

はい、終わりませんでしたm(_ _)m

なので、短編でなく、中編小説としての扱いに変更しました。