「・・・?どうしたんですか?敦賀さん?」

「いや・・・彼が、すごい顔でこっちにくるから・・・。」

「え?」

意味が分からず、キョーコはとりあえず、蓮が見てる方向に体を反転させると

「な!?」

「キョーコ!」

阿吽の阿の方の顔になっているショータローがこちらに向かってくる。

「な、なんて顔してんのよ!!」

「そんなことしるか!!」

「はぁ!?」

キョーコはものすごく耳を疑った。

「と、とにかく、鏡をいったん見なさいよ!!あとで後悔しても知らないわよ!?」

「んなことしるか!!お前に聞きたいことがあるんだ!!」

「な、なによ!!」

「お前、こいつが好きなのか!?」

「は?」

ショータローが突然と蓮を指差していうので、指された本人も驚き、キョーコも、

「な、なんてことを大きい声で聞いてんのよ!!」

「うるせぇ!!」

「と、とにかく、ここでは答えられないわ!!」

「なんでだよ!!違うなら、違うって言えるだろ!?」

「だから!!それは・・・!!」

驚きながら、どう答えていいのか分からなかった。

否定をすることはできない。けれど、肯定すると彼に迷惑が掛かりそうだった。

「い、いい加減にして~~!!」

「うお!?」

するとだ。美森がショータローに抱きついてきた。

「美、美森ちゃん!?」

「あなた言ったわね!?」

「え?」

「尚ちゃんとは『ただ』の幼馴染だって。」

真剣な顔で美森が確認するように聞いてきたため、

「・・・・・・・・・・・ええ。」

キョーコも真剣に答える。

間違いなく、キョーコの中で、ショータローは『ただ』の幼馴染になっていた。

「・・・!?キョ・・・。」

「ショータロー、質問は後で答えるわ。美森ちゃん、こいつ、連れてって。」

「あなたに言われなくても、連れて行くもん!!」

「お、おい、引っ張るなっ。」

美森に引っ張れながら、ショータローは麻生たちのほうへと歩いていく。

「・・・敦賀さん。」

それを見送ったキョーコは、蓮の名を呼んだあと、彼のほうに振り返る。

「最上さん・・・?」

「私・・・もう逃げません。だから・・・ショータローに答えたあと、ちゃんと告白の返事をお答えします・・・聞いてくれますか・・・?」

「・・・・・・・・もちろん。」

「よかった・・・。」

蓮の返事をきき、キョーコはホッとした表情を見せた。

「えっと、それじゃあ、最後のシーンを・・・。」

最後のシーンが始まり、美森が加入してシーンが撮られる。

「OK!お疲れ様、敦賀くん、京子ちゃん、美森ちゃん。」

モニター確認をした麻生がOKを出したため、PV撮影はこうして無事に終わった・・・。