「さて、全員きたようだから、台本を渡すわね。」

全員が集まったのを確認した麻生は台本があったのか、それを渡していく。

「あ・・・名前がある・・・。」

一つページをめくると、天使Aとか天使Bではなく、名前がちゃんとつけられており、

「ええ。さすがに、映画にするからには、名前をつけないといけないし・・・。」

前回は表情だけでやっていたため、名前は必要なかったが、今回は流石に必要になっていた。

美森がやった天使の名が、アメリアになり、キョーコの天使の名は、エマ。

尚の悪魔は、アッシュで、蓮の悪魔の名は、レインとなった。


「この物語は、尚の悪魔が塔から落ちるとこからはじめるの。まぁ、それは前にとった映像を使えばいいとして・・・そのあとね。悪魔のようになってしまった天使は、神に堕天使の印として翼を失った後、天界から追放された彼女は魔界への入り口にへと飛び込む。ここまでがプロローグね。」

台本をペラペラとめくりだから、内容の説明に入る麻生。

つまり、台本にかかれた内容はこうだ。

魔界へ飛び込んだ天使は、翼を失っていたため、大怪我を負ってしまう。

そこに現れたのは、蓮がやる悪魔。

彼は悪魔とは思えないほど、優しい心の持ち主で、彼女を助けることにした。

悪魔の手当てにより、天使は目を覚ます。

目を覚ました彼女は、悪魔とは思えない彼に、だんだんと惹かれていき、

悪魔のほうも、天使に惹かれていく。

だが、二人とも、臆病で、お互いに想いを伝えようはしなかった。

そんなときだった。親友であった天使が突然と天使の前に現れ、

彼女に対して、憎しみを爆発させ、天使の想い人である悪魔を殺そうとする。

けれど、それは失敗に終わった。天使が悪魔を命をかけて庇ったからだ。

庇った天使は、泣く悪魔に抱かれ、自分の想いを告げたあとに亡くなる。

その後、愛するものを亡くした悪魔は、満ち溢れていた優しさがなくなり、

誰よりも冷酷で残酷な魔王となってしまった・・・。

これが台本に書かれた内容であるーー。