ファースト・ラブ

ー無性に与えられる愛を君へ・・・ー



「うーん・・・。」

その頃、自宅で赤ワインが入ったワイングラスを片手に唸るローリィ。

もう片手の両手にはキョーコの履歴書。

そして足元には足つぼマッサージの奴があってそれを足でゴロゴロと動かす。

そのうち、その上に背中を乗せ、足を動かし、背中をマッサージし始めたが動きが止まって起き上がり、

「う~~む・・・尊敬する人・・・私を愛してくれた人。疎まず私を育ててくれた人。厭わず私に温かい寝床をくれた人々・・・。

趣味・・・呪いグッズを作ること・・・なんかやっぱり違うんだよな・・・。」

履歴書に掻いてある事を読み上げて、余計にキョーコが他の人間に比べて何かが違うことが分かる。

「・・・でも、やはり、惜しい・・・あの演技力は育てれば爆弾になるかもしれない。でも、世にでて育つかというと違う・・・。」

ローリィは考えれば考えるほどため息をつく。

(しかし・・・このまま捨ててしまうのか・・・?彼女を捨てるには惜しいと思っているのに・・・。)

そう思った時、電話がなり、

「はいはい・・・もしもし、あ・・・君か、椹君。どうした・・・?」

電話相手の相手は椹のようらしく、彼の話しを聞き始めた。



一方、キョーコはある場所に立っていた。

「来ちゃった・・・。」

ここは久遠のマンションで、それを見上げたキョーコは薄いピンク色の自分の携帯を片手に呟く。

携帯の時計をみるともうすぐAM12:00になりそうだ。

『次、会うときはLMEのオーディションに合格したあとでね。』

(そう、久遠に言ったのに・・・。)

久遠に会った最後の日にキョーコはそう笑顔で彼と別れた。

「合格できなかったのに・・・久遠に会おうだなんて・・・。」

そう思えば、思うほどにキョーコは泣きたくなって、涙を拭いていると

「・・・キョーコ!?」

よく知ってる声が聞こえ、そっちをみると久遠がこっちに急いでこっちにやってきて、

キョーコは思わず、久遠に抱きついた。

抱きついてきた彼女を久遠は慰めるように背中をなで、

「とりあえず、俺の部屋に行こう・・・。」

キョーコを自分の部屋にへと連れて行った。

だが、キョーコはいつまでも泣いて

「ひっ・・・ご、ごめんなさい・・・っ私、合格でき・・・っ。」

謝り続ける。そんな彼女を久遠は抱き締めていたが、

ついに我慢できなくなってキョーコの顎をあげ、キスをした。

「ん・・・っ・・・ふっ・・・。」

それはキョーコにとっては知らないもので息ができなくなる。

そこで久遠は我に返って、キスをやめて

「ごめん・・・苦しくした。」

キョーコを抱き締めなおす。

(何・・・今の・・・)

キョーコはキョーコで、今のキスについて何なのか考え、そのお陰で涙はひっこんだ。



落ち着いたキョーコは久遠に淹れてもらったコーヒーを両手で持っていて、

そんな彼女に久遠はそっと胸を撫で下ろしていた。

泣いている女性に男は弱いのはいつの世も同じことで、ずっと泣かれてると気が狂いそうだった。

(よかった・・・あのままじゃ、俺は何もしらない彼女を大変なことに・・・。)

あのままでは、久遠は何も知らない無垢な乙女を「女」に変えてしまうところだった。

「どうやら、落ち着いたみたいだね。」

「うん、どうにか・・・。」

微笑んだ久遠をみてキョーコは頷き、

「ありがとう、久遠。やっぱり久遠にあったら元気が出た。」

キョーコは笑みを見せる。その笑みに久遠は

(ああ・・・なんで君は無意識にそういう可愛いことをいえるんだ・・・!?これが俺じゃなかったら、あの長い同棲生活の中で、

とっくに食われてる状況だぞ・・・・!?)

そう彼女に訴えたいが、久すらに耐え、何故か無表情になる。

どうやら、理性を保とうとすればするほど、彼はこうなるらしい。

「・・・久遠、どうかした?」

彼が急に無表情になったので、キョーコは不安そうに聞くと

聞かれた久遠は我に返って笑顔をつくり、

「あ、なんでもないんだよ。」

誤魔化して、キョーコの髪に触れる。

「髪型変えたんだね。びっくりしたけど、すぐに分ったよ。」

「ホント・・・?」

「ホント。じゃなかったら、あそこで名前呼ばないだろ?」

「うん・・・。」

キョーコは頬をそめて、嬉しそうに微笑み、そんな彼女をみた久遠は自分の中の理性がすべて吹き飛んだ気がした。

「キョーコ・・・。」

その瞬間、彼はもうどうでもよくなって、キョーコの口を自分のキスによって塞いだ。

「んっ・・・!?ふっ・・・んんっ。」

突然のキスにキョーコは驚いて抵抗はしたが頭を手で押さえつけられていて、そのうち、意識がもうろうとしてくる。

それを見計らったように久遠は彼女を抱き上げ、体が浮いたことにキョーコはわれに返って

「く、久遠、降ろして!!」

訴えたが彼は彼女の額に軽くキスを落とし、

「!」

「ごめん・・・これ以上の我慢は無理だ。」

キョーコの訴えを無視して、寝室をへと運び、キョーコはその言葉の意味を考えていたが、のちに分かった。

そして、彼女にとって長い長い夜が始まった・・・。




→十九話





って、ことで、裏をかこうと思いましたが・・・私はなにせ経験がないんで・・・誰か書いてくれませんか?

マサシさんとか書いてくれないかな・・・と思います。メール送ろうw

ってなわけで、次回にノシ